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奴隷市場Renaissance
ブランド ruf 評価
ジャンル 純愛ADV 発売日 2001/12/14
動作OS Win98/Me/2000/XP 価格 8800円
HDD容量 240MB以上(最大1.2GB) メディア DVD-ROM
原画 由良 BGM PCM
シナリオ 菅沼恭司 音声 有り
その他 CG・音楽・Hシーン鑑賞、用語辞典 プレイ時間 約35時間
備考 DL販売 『ギュッと!』

購入の経緯
ちとマイナーだけど巷の評判が良かったので突撃。

突撃結果
タイトルは陵辱系っぽいけど中身はバリバリの純愛系。
奴隷達との純愛シナリオはクリア後に心地良い余韻が残り、後味も良好。
超大作ではないけど読み応えのある内容で、ボリューム的にも満足。

あらすじ
17世紀、地中海の覇権をかけて争っていた劣勢のロンバルディア同盟は全面戦争を回避すべく、神聖アイマール帝国に全権大使を派遣した。主人公キャシアスは、その全権大使の一員として同行する一人の青年貴族である。彼は友人のファルコに誘われ、任期中の身の回りの世話をさせるための奴隷を買いに市場へと向かう。そこで売られていた女の子たちは三人。人形のように可憐な美少女のビアンカ、小さな妹を連れているセシリア、帝国の下層民で喉を切られて喋れないミア。そして、限られた任期中の間、彼女たちと一緒に暮らすことになった。だが、同盟と帝国の間に戦火が開かれ、主人公を含む大使達は逃げるようにして帝都をあとにする。必ず訪れる奴隷たちとの別れの時、主人公は少女たちに何を残してゆくのか? 愛情か、憎悪か、希望、絶望、あるいはもっと別の何かか…。

シナリオ
メインは純愛物語。陵辱ルートもあるけど、おまけ程度で大してエロくないです。(^^;
この純愛シナリオが切なくていいんですよ。そこらの萌えゲーより良かったです。はっきり言ってギャグなんか皆無で直球勝負ですけど、中だるみも無く飽きない内容でどっぷりと嵌ってしまいました。逆にギャグなんか入れると雰囲気壊れるしね。

奴隷市場とは奴隷達を商品として売りさばく人身売買が行われている市場。戦場等で捕虜となった人々等を勝利の勲章として国有化し奴隷として売買する世界。その購入者は奴隷に対して何をしても許されるのです。そんな江戸時代の日本のような身分制度がまかり通っている架空の中世ヨーロッパが舞台。このゲームは、敵国である独裁国家に派遣された一人の青年貴族と奴隷達との純愛を壮大な世界観の中に違和感無く溶け込ませていて、長時間プレイしても飽きません。最近のまったりした学園物や輪廻転生が全盛のエロゲー市場に於いて、波乱万丈の歴史の中に隠された悲劇と当事者達の想いを描いた斬新で緻密な構成力に脱帽。

主人公が購入後、直ぐに心を開く奴隷達はいかにもお約束だけど、子供みたいに無邪気なビアンカは萌えるし、ミアは犬チックだし、セシリアの羞恥心を飲み込んでフローラを守る想いにも感動。そんな彼女達との日常描写がめっちゃ心地良いのです。でも、そんな楽しい生活がいつまでも続かないんですね。後半の急展開はちと早急すぎる気もするけど息を呑む内容で満足。別れたくない一心で行動する主人公の生き様が、絶妙なタイミングで流れるI'veサウンドと共に、ラストで心地良い感動を与えてくれます。私は3人同時購入シナリオが一番のお気に入りです。やっぱ3人とも助けてハーレム作りたいですからねぇ。(マテ)

主人公のキャシアス自身が戦うシーンは殆ど無く、はっきり言って一人だと、ひ弱なお坊ちゃんって感じがします。かっこいいヒーローを期待してると肩透かしを食らうかも。でも、そこは何でも有りのエロゲーですからお助けキャラが登場するのです。ぶっちゃけ親友のファルコ等の強力な味方に助けられて危機を乗り越えるお約束の展開だったりするんですけどね。(苦笑)

システム
選択肢と移動マップによって話を進めるオーソドックスなADV。
会話シーンのテキストは一般のADVのようにメッセージウインドウに表示されるのですが、説明シーンではビジュアルノベルのように画面全体に表示される時もあります。
選択肢の数は少ないので無駄なくテキストを堪能出来るかと。
移動マップは冒険している雰囲気は出るけど、あまり意味がないのでは?
それに、移動マップ表示中にセーブ出来ないし…。(T.T)
あと、イベントの進行具合によって、各ヒロインのパラメーターが変化していきます。
この値がエンディングに影響します。

高速既読スキップ、バックログ装備。既読テキストは文字の色が変化するので分かり易いし、動作も安定していて特に問題無し。
ただ、既読スキップはメニューから選択する必要があるのでめんどくさい。バックログ表示時に音声を再生出来ないのも残念。
文章内の専門用語には色を変えてリンクを貼ってあり、それをクリックすると用語辞典が開くのは親切でいいですね。

立ち絵のパターンは少ないですが、会話中は別ウインドウに表示された顔アイコンでキャラの表情が分かるようになっています。

グラフィック
イベントCGは鑑賞モードによるとパターン違いを除いて全119枚。
どれも良質で問題ないレベル。
OPムービーも結構いいね。主題歌ともマッチして、なんかゾクゾクするよ。

キャラデザはちょっと癖がありますが、ヒロインの女の子は皆可愛く描かれています。いわゆる少女コミックに出てきそうな典型的な美少女風味。
サブキャラもファルコを筆頭に個性的なデザインで楽しいし、きっちり描き分けられていて分かり易いです。古き時代の服装も新鮮。

背景の古い町並みは、緻密に描かれていて渋いです。古代ヨーロッパを彷彿させる石造の建築物が、このゲームの雰囲気にマッチしていい味出してますねぇ。薄暗い裏通りにある建物の壁が剥げ落ちた感じや、道の石が抜けて地面の土が見えたりするところは、かなり凝っています。

サウンド
全30曲。全体的に短い曲が多いですがどれも良質かと。おどろおどろしいホラーサウンドは渋いし、日常の明るいほのぼのとした音楽も気持ちいいです。
音声もゲームに違和感無くマッチして良質。

・OPテーマの「To Lose In Amber」
とにかく最高!渋すぎる!涙腺刺激しまくり。しっとりした始まりからサビでの盛り上がりまで全て捨てるとこ無し。暗い絶望の中に一筋の希望を見つけたような、ピアノの旋律が心にしみるぜ。まさに、奴隷市場の為の一曲。いや〜何回聴いても飽きないね。久しぶりに、I'veサウンドの奥義が炸裂したのではないでしょうか。

・EDテーマ「祈りの時代」
流すタイミングは絶妙なんだけど、音量が小さいのが気になりました。ノリノリで、クリアの余韻に浸るにはいい感じなんだけどね…。

・「全角湾の風」
優しいメロディが落ち着くね。挿入された鳥の鳴き声や波の音等の効果音もいい雰囲気出てるね。

・「悲愴」
クライマックス等で流れる曲。短いけどとにかく盛り上がりますな。

Hシーン
CG枚数は普通の純愛系より多く絵も綺麗で良いのですが、プレイ自体は淡白でテキストも官能小説のようにお堅いので、そんなにエロくありません。純愛ルートでは、期間が短いせいかHまでの過程が早急すぎる気がします。もっと萌え萌えなエロシーンが欲しかったな。

当然、陵辱ルートの方がエロCGは多いのですが、陵辱プレイを売りにするなら、もっとグロテスクにするとか徹底的に鬼畜エロを追及してもっと壊れて欲しかった…。(ぉぃ)
と言うか、この主人公二重人格? 陵辱ルートだとすぐ鬼畜になるし…。(;´д`)
まぁ、このゲームは無理やりエロを挿入しなくても十分楽しめると思うけどね。

音声は雑音も無く結構良質。勿論、チュパ音も有ります。
でも、やっぱ、北都南さんは喘ぎ声が上手いな。(ぼそっ)

キャラ  ( )内の数値は萌え度
お気に入りは「セシリア」。やっぱこのゲームは彼女のインパクトが光るね。
ロ○ぃな「フローラ」との詰め合わせは、私の心を鷲掴みに…。(爆)
でも、何で「フローラ」を攻略出来んのじゃぁ〜。<ヲィ
何気に、このゲーム登場キャラ多いね。でも、皆個性的で覚えやすいから良かった。
サブキャラも濃ゆくていい味出してますなぁ。特にファルコの鬼畜っぽい言い回しが、強がった臭い芝居のような感じがして笑えました。親友思いのいい奴なんだけどね。

ビアンカ CV:木葉楓 (75%)
銀髪で子供みたいに無邪気な喋り方をする明るい少女。
「にいたま」なんて、とろける声で呼ばれた時は、おにいちゃん吐血したよ。

セシリア CV:北都南 (65%)
気の強い金髪おねいさん。幼い妹のフローラを気丈に守ろうとする。
やっぱ北都南さんの演技力は別格ですな。

ミア CV:藤代奈央 (70%)
黒髪に褐色の肌のおとなしい少女。喉を切られていて喋れない。
ビバ!犬チック少女。

総評
当初、螺旋回廊の圧倒的知名度のせいで影の薄かった陵辱系だと思っていたのですが、それは大間違いでした。タイトルに惑わされず、じっくり奴隷達との運命を堪能すべき一品。きっと究極の純愛を味わえるのでは? まさに埋もれさすには勿体無い隠れた良作。萌えゲーに飽きたら、たまには感動物も摘み食いしましょう。(笑)
シナリオ担当の菅沼恭司氏と、開発に協力した「大吟醸」は要チェックかも。

(Javaを無効にしていると表示できません)

奴隷市場Renaissance

+++update:2003/06/15+++
シナリオ システム CG 音楽 萌え エロ
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