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想い出の彼方
メーカー PL+US 評価
動作OS WIN95/98 HDD容量 500MB以上
ジャンル ビジュアルノベル 発売日 2000/08/04
メディア CD-ROM×2 価格 8800円

★★★ 感想 ★★★
久しぶりにビジュアルノベルをやりました。萌えはほとんど無かったけどシナリオにピリッとした辛さと捻りが混ざっていてなかなか面白かったです。内容は、ヒロイン達の心の中に隠された想いを解き明かしつつ癒してあげながら、過去の思い出を取り戻そうと言う感じのシナリオ重視型のゲームです。でも、パッケージの少女は予想通り怪しかったな。(笑)

あらすじ
和哉が中学3年生の夏、父親の仕事の都合で生まれ育った渡里市に沢山の想い出を残し離れることになった。五年の月日がたったある日、和哉の元に同窓会の案内が届く。渡里市を離れてから1度も帰郷した事が無かった和哉は、これを機会に一週間ほど帰郷することにした。電車を乗り継ぎ、久しぶりの故郷に想いを馳せる主人公。しかし駅に降り立って見た光景は、五年前とは全く違ったものだった・・・

シナリオ
簡単に言えば純愛物です。舞台は観光地にもなっている温泉街の町。そこでの旧友との出会いから物語が始まります。この物語の主人公は自分を鬱状態に追い込むのが得意なので、痛い場面も多々有りました。主人公の悩みや苦しみ、焦ってジレンマに陥っている様子が文章を通して痛烈に伝わってきました。この点がこの物語のスパイスとなって、普通とは違った味わい方が出来るようになっています。後半まで謎を残す趣向も良かったです。

特に葉耶香シナリオはツボに嵌りました。自殺した一人の女の子が鍵なのですが、彼女の妖しげな瞳が凄く怖かった。しんみりとしたサウンドをバックに真相が徐々に明らかになっていく展開がなかなか凝った内容で良かったです。この物語での死の定義付けには、そう言う考えもありかなと納得してしまい、なかなか唸らせるものがありましたね。全体的にはシナリオによってかなり満足度にバラツキがありました。まあ、どのシナリオも普通には終わらないですけどね。

システム
セーブはいつでも可能で、既読スキップと読み返し機能があったので、特に問題なかったです。特に良かったのが、ジョイスティックに対応している点です。左方向キーで読み返し機能が一発で呼び出せるので快適でした。おまけとして、CGと音楽鑑賞モードがあります。

グラフィック
綺麗に描かれていて問題無い出来だと思います。でも、癖のある垂れ目のキャラ絵は、あまりかわゆく感じなかったな。イベントCGは全部で64枚なので少し物足りない感じがしました。それと、もう少しバラエティ豊かな絵が欲しかったかな。

サウンド
CD−DAで全25曲です。インパクトは少なかったんですが、なかなか良い曲が揃っています。暗めの曲が多くて「痕」を彷彿させます。全体的に落ち着いた感じの耳に優しい曲が中心で、癒し系の曲がいい音出していました。特に「Sereny sky」や「Smell of Desire」が良かったですね。でも、エンディングの曲が地味だったのが残念です。この点は、もう少し工夫して欲しかったです。CVに関しては、女性は問題無いけど男性はいまいちだったかな。

Hシーン
かなり薄いので、おかずには向きません。純愛系なんであまり期待しない方がいいです。
しかも、萌えないんだよな〜。(汗)

キャラ紹介(括弧内の数値は萌え度)
  ■辻川 葉耶香 (60%)
  大人びた感じだが、どこか寂しげな雰囲気を漂わせる、自らの命を絶った美少女。
  この物語のメインヒロインです。シナリオは怖いですが一番良かったですね。
  ■多賀佐 有紀 (60%)
  主人公とは小学時代の幼なじみで妹みたいな存在。
  萌えキャラ登場か〜と思ったんだけどね・・・ただの元気娘ですな。(ぉ
  ■沢口 美緒 (70%)
  主人公とは中学時代の同級生。明るい性格で物事をはっきり言うタイプ。
  この強気な娘は結構お気に入りです。このゲーム唯一の萌えキャラかな。
  葉耶香に嫉妬するお約束な展開も良いです。みずいろの「清香」を思い出しました。
  ■高城 ひふみ (60%)
  主人公の中学時代の後輩。写真を撮ることが趣味で無口な性格。
  なんか、のほほ〜んとした感じです。でも痛かった。(鬱)
  ■藤沢 縁 (50%)
  マイペースでのんびりした性格。普段は明るいが時折、寂しげな表情を見せる。
  このシナリオは精神的に痛かった。ヅマ属性のあなたにプレゼント。(ぉぃ

総評
シナリオは良いのですが登場するキャラが少なく、キャラ立ちも弱いのが気になりました。特にサブキャラにもう少し力を入れて欲しかった。『もっと萌えキャラを出せ〜』と言いたい。(笑)いくら純愛物でもギャグが笑えなかったら面白さも半減します。CGと音楽は良い出来なので、キャラのインパクトが薄いところが少し残念ですね。

このゲーム、最初はそれほどでもなかったのですが、思い出の大切さが凄くストレートに伝わってきて徐々に嵌っていきました。爽やかな風が吹くエンディングも良かったです。『そりゃ無いだろう〜』と言う腹立たしくいらいらする場面も多々ありましたが、全体的にライターさんが上手だなと実感できるぐらい心の隙間をついてきました。地味だけどガムのように噛めば、徐々に味がしみてくる感じの作品です。(なんじゃそりゃ)

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想い出の彼方

+++update:2002/02/28+++
シナリオ システム CG 音楽 萌え
80 85 75 80 55 60

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