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水夏〜SUIKA〜DVD版
ブランド CIRCUS 評価
ジャンル 夏・田舎・純愛ADV 動作OS Win98/Me
発売日 2001/08/31 価格 8800円
HDD容量 最低300MB、推薦1.7GB以上 メディア DVD-ROM
原画 七尾奈留、いくたたかのん BGM PCM
シナリオ 呉一郎、御影 音声 有り
モード CG,音楽、シーン、ムービー鑑賞 プレイ時間 約19時間

はじめに
シリアスな話が好きなんで捕獲しました。サーカス作品に初めて突撃。

突撃結果
パッケージだけ見ると萌えゲーっぽいけど、やっぱ、シリアスまっしぐらでした。話は読み応えがあって面白かったです。やっぱ「名無し」が一番。

あらすじ
海と山に囲まれた常磐村。いつまでも変わらないと名付けられた村にも、やっぱり夏は訪れる。恋が生まれ、恋が消えていく夏。だが、そんな夏、人語を解する謎のぬいぐるみを抱く名無しの少女が村を訪れたことで、不可思議な物語の幕が開かれた…。

シナリオ
夏の田舎を舞台にした切ない純愛物語。全4章構成でシリアス色が強いです。各章ごとに主人公とヒロインが異なり、全く別のストーリーになっているので感情移入はし難いかも。でも、時間軸が重なる場面で、別の章のキャラが絡んできたりしてニヤリとする場面もあったり…。些細なことですが、この微妙な繋がりが常盤村での時間の共有を実感させる手法として絶妙だなと思いました。

本作は夏をテーマに人の死を精細に描いた物語でもあり、死と生の狭間で揺れ動く心情が痛々しくも綺麗に描かれていて、読んだ後にじんわりと余韻が残りました。それほど泣ける場面は無かったですが、全体的にミステリーでよくある終盤のどんでん返し等もあり、十分楽しめる内容でした。強引さは目立ちますが張り巡らされた伏線もスッキリ回収されるので後味も良いです。

各キャラも個性的でいい感じです。特にキャラの視点がコロコロ変わるのが新鮮でした。主人公とヒロイン双方の視点で描かれたテキストはキャラの心情を理解する上で効果的でしたね。EVEで使用されたザッピングのような重複テキストは無いのでダレルこともなかったです。ただ、ギャグがちょっと弱くて笑えなかったのが残念です。

それと、過去と現代が頻繁に入れ替わるストーリー進行は面白かったですね。ただ、急に切り替わるのでテキストだけでは今の状況が分かり難く、戸惑うことが多々ありました。ビジュアル面を工夫して分かり易い仕様にして欲しかったですね。一応背景色が変化するんですが、このゲームってテキストだけで進行する場面も多いので…。(汗

システム
全4章構成のADV。1〜3章は画面全体にテキストが表示されるビジュアルノベル形式。4章のみウインドウにテキストが表示される通常のADV形式。この変則的なシステムはキャラ視点の変化への対応みたいです。ちなみに4章は主人公視点で固定されていますが、他の章は視点がコロコロ変化します。まぁ、ノベル形式で統一しても特に問題は無かったように思いますが…。 

シナリオの進行状況や分岐の位置が画面右側の縦棒で把握出来ます。今回、この機能は特に必要なかったですが、大体のシナリオボリュームが把握出来るので親切な機能だと思います。一度読んだ文章を二度目からは、あらすじで紹介してくれる「あらすじモード」は便利ですね。この機能と既読スキップを併用すると繰り返しプレイの苦痛が軽減されます。

既読スキップはCtrlキーを押下中のみ機能しますが、最近のシステムに慣れているとめんどくさく感じます。読み返し時に音声が再生出来ないのも残念。セーブ・ロード時等でメニューをクリックする度に喋ってくれるのは面白いです。4章主人公の名前が標準でついてなかったのにはビックリ。メニュー画面の「改名」でつけてやらないと名前の部分が空白になるのは、バグ?

シーン鑑賞モードは全185シーンから選べ、各場面ごとに名前をつけて細かく区切られているので、見たいシーンを探しやすいです。この場合もあらすじモードで見ることが出来ます。音楽鑑賞モードで曲の解説がついているのも嬉しいな。

グラフィック
鑑賞モードによるとイベントCGはパターン違いを除いて47枚。その内エッチCGは13枚。背景、イベントCG共に全体的に淡い色彩で綺麗に描かれています。田舎の絵に風情があってノスタルジックな雰囲気がよく伝わってきます。ひまわり、麦わら帽子、蚊取り線香等のアイテムも夏の雰囲気にピッタリです。

ただ、CG枚数は少なすぎますね。真っ黒な画面にテキストだけで進行する場面が多いのも残念です。臨場感を出す為にもっと枚数を増やして欲しかったです。キャラデザはめっちゃ可愛いく描かれていて高レベルな萌え絵です。立ち絵が無いサブキャラが多いのが少し気になりましたが…。

OPムービーは、ちょっとカクカクしてる気がするけど、妖しげな雰囲気が漂ってゾクゾクしますね。主題歌ともマッチして綺麗な夏物語って感じに仕上がってます。逆にEDムービーはしっとりして落ち着いた感じ。

サウンド
全22曲。その内ボーカル入りは2曲。爽やかで綺麗な曲が多いです。和み系と言うかまったりした日常って感じ。OP主題歌は特に良い出来。BGMではシリアスなシーンにマッチしたもの悲しい曲「なみだあめ」が好き。

蝉の鳴き声等の効果音も夏にピッタリで良い感じです。音声も特に問題無かったです。でも、4章主人公の妹「ちとせ」のボイスが無いのは痛すぎ! ボイスがあれば、最強の妹キャラになったと思われるだけに残念。(涙)

−ボーカル曲紹介−
・Fragment 〜The heat haze of summer〜(歌:TORORO)
OPテーマ。神語のテーマソングを彷彿させるしっとりした始まりと、スピード感のあるダンスビートが融合。背筋がゾクゾクして心地良く涙腺を刺激。かなりお気に入り。

・Fragment 〜Thought to wish to the starlit sky〜(歌:倖月美和)
EDテーマ。しっとりしたスローテンポで切ない音色が儚い運命を彷彿せます。

Hシーン
純愛系なんで強引なシーンは無く雰囲気重視の綺麗な描写。エロ度は絵、テキスト共に薄めです。でも、幼児体型の名無しの少女とのロ○ロ○なHシーンは美味しかったです。多分、着せ替えプレイでの微妙なシチュにハァハァ必至。 あの、浜○あゆみのCDを彷彿させる、前髪でのビーチクの隠し方は絶妙。名無しはどう見ても中○生以下だろ。あんないたいけな少女に腫れモノの治療をさせる主人公は鬼畜。(爆

キャラ  ( )内の数値は萌え度
お気に入りは「名無し」。でも、このゲームって妹キャラてんこ盛りですな。
サブキャラでは、4章主人公の妹「ちとせ」の健気なとこに萌え〜♪
あの萌えリボンつけて「お兄ちゃん」って言うのは反則でつ。
1章の「小夜」の円らな顔とプリプリした性格も堪らん。嫉妬深いところも萌え。

水瀬 伊月 CV:長崎みなみ (70%)
1章ヒロイン。主人公の幼馴染。アニメと漫画が大好きな巫女さん。
双子の妹「小夜」との微妙な関係がゾクゾクきます。まさにシリアスノベル。

白河 さやか CV:鳥居花音 (80%)
2章ヒロイン。勉強が苦手な主人公の先輩。絵と昼寝が得意で明るく元気。
あの上目使いの儚げな仕種と萌え声が堪らない典型的な萌えキャラ。
ひまわりに隠された謎とは? 死をテーマにした人間物語がここにある。

柾木 茜 CV:日向裕羅 (75%)
3章ヒロイン。主人公の義理の妹。お兄ちゃんにベタベタ触るのが好き。
水泳が得意なスポーツ少女。天真爛漫な性格と黄色のうさ耳リボン萌え♪

京谷 透子 CV:西田こむぎ (65%)
3章ヒロイン。主人公の恋人。清楚で落ち着いた尽くすお姉さんタイプ。
主人公の愛を求めて止まない。執念と嫉妬の裏に隠れた愛憎劇が…。

名無し CV:春野日和 (85%)
4章ヒロイン。主人公が拾った名無しの少女。焼きもろこしが大好物。
無邪気で明るい真性のロ○お嬢ちゃんにクリティカル萌死。
すくみじゅ(゚Д゚;)ハァハァ。ロ○度70%はこの少女だけの力。(爆

総評
シナリオ重視派向け。全編に於いてシリアスな物語ですが全体的に綺麗に仕上がってます。切なく重い内容も良く練られていると思います。タイトルの「水夏」から想像すると爽やかな夏物語のイメージがありますが、実際は三角関係の争い等、人間のドロドロした内面がリアルかつ爽やかに描かれています。この表現力には感心しました。ビジュアル面の演出レベルが高ければ、もっと余韻を残す作品に仕上がったと思います。

ホラー、ミステリー、サスペンス、不思議系等、短編小説を4冊読んでいるような感覚で楽しめる、後味の良い作品。個人的には4章の「名無し」の物語が一番良かったです。

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水夏〜SUIKA〜DVD版

+++update:2004/01/28+++
シナリオ システム CG 音楽 エロ 萌え ロリ
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