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朱-Aka-
ブランド ねこねこソフト 評価
ジャンル シリアスビジュアルノベル 動作OS Win98/Me/2000/XP
発売日 初回版:2003/06/13
通常版:2003/06/27
価格 初回版:8800円
通常版:6800円
HDD容量 3.2GB以上(CD版2.0GB以上) メディア DVD-ROM
原画 秋乃武彦 他 BGM PCM
シナリオ 片岡とも 他 音声 有り
その他 CG・音楽・シーン鑑賞 プレイ時間 約19時間
備考 初回特典:CD-ROM版ゲームディスク×3、
サントラCD(ゴールドディスク)、ねこ缶、ねこカラー
DL販売 『ギュッと!』

購入の経緯
ねこねこソフトはデフォ買いメーカーだから…。

突撃結果
超大作では無いですが私的には良作でした。全体的には、映像と音楽を濃縮して適度なボリュームにまとめあげた感じ。長編アニメを一気に観るつもりでプレイすると良いかも。同ブランドから発売された「銀色」ほどのインパクトは感じられなかったですが、プレイして良かったです。

あらすじ
舞台は今から1000年ほど昔の荒涼とした砂漠・ステップ地帯。「ルタ」と呼ばれる者から特殊能力を授かった「眷属」は,その代償としてある義務を果たさなければならない。全ての「眷属」はその証として朱色の何かを身に付けている。時代が流れ、ある者が運命の扉を開く時、ルタの謎に包まれた部分が徐々に紐解かれていく…。

シナリオ
「銀色」みたいに章立てでストーリーが進行する正統派シリアスノベルで、ストーリーを堪能する作品です。故にギャグなんて期待してはいけません。砂地を走破する過酷な旅の雰囲気は良く表現出来ていますね。まぁ、砂漠を歩くシーンは結構退屈でダルイですけどね。感動や泣きはそれほど感じなかったけど、シリアスな世界観は好き。驚くような展開は殆ど無く、落ち着いた雰囲気でまったり進行します。映画みたいに、いつも良いシーンでストップしてその章が終わるので凄く続きが気になります。この演出は上手く洗脳してるなぁと思ったり…。(笑)

ねこねこ独自のやわらかな萌え表現は、一見、シリアスな雰囲気に不釣り合いな気もしますが、私的には文章を読みやすくする効果があって良かったと思います。いくらシリアスな内容と分かっていても、お堅い文章ばかり読まされると嫌になりますから…。
でも、メインヒロインは「アラミス」じゃなくて、「ファウ」にして欲しかった。(ぉ
やっぱ、エロゲーをプレイする側としては、最萌えキャラをメインに持ってきて欲しいと言う願望があったり。そんなことするとストーリー上の問題も出てくるでしょうが…。

ルタが眷属や守護者を作った経緯がきっちり説明されていないのが気になりましたが、曖昧な終わり方では無く、最後に謎が残らない作りになっているのはスッキリして良いです。少し不明な点も補足シナリオで十分脳内補完可能なレベルです。一部、「銀色」と絡む部分があるので、先にプレイしておくと更にスッキリするでしょう。

ただ、キャラ立ちがイマイチなのが勿体無いですね。各章の主人公やヒロインの個性が弱くパワー不足です。つまり、強烈なインパクトのあるキャラがいないんですよ。この点がシナリオの良さを軽減させているかと。主軸となるシリアスな世界観の整合性を保ったのは良いが、その代償としてキャラの個性が犠牲になってしまい印象に残り難いのが難点。特に主人公は殆ど記憶に残ってなかったり…。やっぱ、感情移入出来ないのは辛いです。シナリオの評価にモロに影響しますから…。個々の物語をスッキリ収束させる為に、4人のヒロインが絡むシーンが欲しかった。

システム
特に大きな問題は無かったです。一応、選択肢もありますが基本的に一本道のADVです。既読スキップはありますが、特に使う必要は無かったです。

上下が切れたシネマ風味のワイドスクリーン表示で、映画の雰囲気は良く出ているのですが、メッセージのフォントが小さくて読み難いのが難点。2行表示のテキストは、誰の会話なのか分かり難いです。メッセージの前に喋ってるキャラの名前を表示して欲しかったです。

バックログ表示時に音声を再生出来ないのも残念。メッセージ履歴がマウスホイールに対応しているのは使いやすいです。シーン回想は、DVDビデオみたいに細かくシーン分けされているので便利です。

グラフィック
イベントCGは鑑賞モードによるとパターン違いを除いて全155枚。枚数は問題無し。
OPムービーのアニメグリグリには驚いたね。こりゃ金かかってるだろうな。派手さは無いけど、かなり良く出来てます。立ち絵、背景、イベントCG共に高レベル。特に、石造りの街、砂漠、山の風景を綺麗に描いた背景は秀逸。岩肌の質感も上手く表現出来てるし、薄暗くダークな色使いも渋いね。嵐や灼熱の砂地の様子等、時々挿入されるアニメの演出も新鮮。

立ち絵では表情のパターンが豊富。少し動きが不自然でぎこちないけど目パチ装備。目を大きく開けたりする動きとか、ちょっとした小細工も凝ってました。キャラデザでは「チュチュ」のコスチュームが斬新だね。ヘソ出しルックもさることながら、何つー機能的な乳パットなんだぁっっ! あんな微妙な着用でもズレ落ちない優れもの。何気に半乳見えてる気も…。(´Д`;ハァハァ

サウンド
全36曲。とにかく凄い!!数あるエロゲーの中でもトップクラスかと。
低音の優しい音色の響きで癒される感じ。温もりのあるバイオリンの音は聴き心地が良くて落ち着くね。全体的には、安らぐ曲や悲しみを表現する曲が多いのですが、シリアスな雰囲気にめっちゃマッチしてます。
ヴォーカル入りも5曲の出血大サービスですな。やっぱ、歌の乱舞は新鮮。
特に英語の挿入歌が流れた時は、未知の体験で大脳がビリビリ痺れましたね。

ただ、序盤からボーカル曲を使いまくるのは、何だか勿体無いような気がします。どれも良い曲なのですが、何度も聴かされるとインパクトが薄れ、通常のBGM程度の効果しか得られなくなるのではないでしょうか。泣かせる場面限定で使用するとか、エンディングを盛り上げる為に温存しておけば、もっと効果的だったかも。

初回プレイ時に、第一章のヒロイン「アラミス」の音声をカットしたのは明らかにマイナス。メーカー側は、テンポを重視したと豪語してますが、それなら全ての音声をカットするべきかと。「アラミス」だけ無音なのはかなり違和感があったし、キャラの魅力も半減したかも。それに、私は基本的にリプレイしない主義なので、聴けなくて損した気分だったり…。(T.T)

−ヴォーカル曲紹介−
「風に舞うしるべ」
異境の音とでも言いますか、とにかく涙腺にきます。この曲の使いどころ次第で、更に感動出来る演出が出来たかも。

「朱」
何故か天空の城ラピュタが思い浮かんだ曲。綺麗な声で、温もりを感じさせる良い曲です。二人でダンスを踊っている場面が目に浮かびそう。

「Desert」
英語のデュエットが良いね。砂漠の雰囲気にピッタリ。

「砂の城」
とにかく渋いね。 I’veにしては一風変わった音で落ち着いた英語の曲。

「砂銀」
主題歌です。ルパン三世のEDテーマを彷彿させる、気持ち良い音色とサビの盛り上がりが気持ちいい。

Hシーン
各ヒロイン毎に3枚程度。濃度を考えると無くても良いレベルです。
無理に挿入せず全年齢版として売り出しても良かったのでは…。(ぉぃ
「アラミス」の声をカットしたツケが、ここでモロに出てます。やっぱ音声無いと寂しい。
やっぱ、「チュチュ」の喘ぎ声はポンコツ風味なのね…。(笑)
チュパ音はありますが、シチュのバリエーション少ないね。

進藤タンのスケみじゅ……キタ━━━(・∀・)━━━!! <叫死
やっぱ、お約束の「おまけ」が一番良かったかも。萌えエロだし。(^^;

キャラ  ( )内の数値は萌え度
お気に入りは「ファウ」。この娘だけ見ると萌えゲーと間違えるYO。(苦笑)
何気にハファザの街の宿屋の娘も萌えなんですが…。(*^^*)

アラミス CV:宇佐美桃香 (65%)
ルタの眷属として記憶を消す力を与えられた、ちょっと雪希さん風味な娘。
内気で大人しい性格。寂しそうな表情が堪らんのう…。( つД`)
アラミスさんって、いっつもぱんちゅ見せてるし…。^-^;

チュチュ CV:籐野らん (70%)
ポンコツの血を引き継ぐ者。やっぱり、キタ━(・∀・)━!!
ねこスパイスでこってり味付けしたポンコツさん。彼女の笑顔は元気印。
えへへ、ショートカットもトレードマークなのぉ。(゜▽゜=)
それより、「にゃうーん」って言ってくれー!!(爆)

ファウ CV:まきいづみ (75%)
ビバ!薬師のおねいちゃん!舌足らずな癒し系とろける萌えボイス最高!
おっとりした喋り方もクリティカルヒット!この娘はポンコツより萌え♪
流石は薬師!まさか彼女の笑顔で癒されるとは…。

総評
やっぱ、「まじかる☆ひよりん」と「ポンコツクエスト」だな。<をぃ
相変わらず、「おまけ」は笑わせてくれますなぁ。
もはや、「F9」は神のボタンだね。(謎)

やはり、今作の売りはサウンドかと。特にボーカル入り5曲は凄すぎ!! それにサントラCDも豪華。これだけ単体で別売りしても十分売り物になるかと。製作者側が映画を意識したと言う通り、音楽と映像の相乗効果は成功していると思います。特にOPムービーにアニメを取り入れたり、過去の出来事のモノクロ表示はインパクトありました。

章立てにしたのは映画っぽくて面白いと思うのですが、最後の盛り上がりが弱いですね。その為、伏線となる各章の物語の意味が薄れてしまい、エンディングを見た後の余韻もいまいちかなと。個人的にはシリアスなシナリオは好きなんですが、これと言って心に残ったシーンが無かったのは残念です。ありきたりですが、もう少し戦闘シーンを増やしても良かったのではないでしょうか。

良く出来た作品だと思うのですが、嵌りまくった満足感は無いです。
萌えは「みずいろ」、プレイ後の余韻は「銀色」に軍配が…。
で、「朱」は?と言われると……やっぱり音楽かなぁ。

いくら高級な材料を使っても、料理の腕が悪ければそれなりのモノしか出来ません。
時代と共に、CGや音楽等の技術は進歩しても、良質なシナリオを作り続けるのが如何に難しいかを考えさせられる作品ですね。人気ブランドと言えど、この飽和状態のエロゲー市場で、口の肥えたエロゲーマーを満足させる超良作を連発するのは至難の業です。まぁ、より美味しい商品の発売を期待されるのは、人気ブランドの宿命ってことで…。(^^;

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朱-Aka-

+++update:2003/06/28+++
シナリオ システム CG 音楽 萌え エロ ポンコツ
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