悪の教科書 Textbook Of Evil

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ブランド

さんだーぼると

評価

80

ジャンル

社会批判ノベル

発売日

2007/12/31

HDD

270MB以上

価格

原画

insider

メディア

インターネット

シナリオ

insider

音声

無し

モード

プレイ時間

約8時間

備考

全年齢対象フリーソフト

シナリオ

画面全体に小難しいテキストがビッシリ表示されるのは読む気が失せるかも。無音のテキスト垂れ流し進行が多いのも気になった。それが恐怖感を煽っているようにも感じるが何となく寂しい。全5章構成で章ごとに主人公が変わる。無秩序な社会を逆手に取った悪の道の正義は、平和ボケした日本に対する警告を具現化したように思える。当初は批判的テキストに嫌悪感を抱いたのだが、脳内補完の影響か読んでいるうちに馴染んできた。

差別や格差社会を取り上げて民主主義制度をも否定する。事実が捻じ曲げられた現実を直視すべきと、悪の力を利用して他に依存して個々の主張が乏しい体質を粛清する。陰湿なイジメに対抗した復讐劇。何気にトチ狂った残虐描写は、ひぐらし入ってるかな。どうでもいいけど、あの道具はスパナじゃなくてモンキーレンチって名前じゃないのかな? とにかくラブコメのような展開には期待しないように。本作の本質は恋愛よりも社会批判なので。

システム

選択肢無し。全画面にテキスト表示される一本道のビジュアルノベル。ツールはNscripterで特に問題はない。スキップは未使用。バックログはホイール対応で一覧表示可。セーブ/ロードは、ファイルを選択してから「保存」や「読込」を選択する方法なので若干不便。

グラフィック

イベント絵は無く、立ち絵と背景のみで進行する。背景は実写取り込み画像だが、かなり綺麗で違和感は無い。立ち絵が表示された時に背景をぼかしたり、雨が降ったり葉っぱが揺れながら落ちてくる細かな演出が良かった。尾道の昔ながらの町並みは情緒があって落ち着く。紅葉とか大自然の綺麗な風景も和むね。

サウンド

鑑賞モードが無いのが寂しいが、それなりに盛り上げてくれる良い曲もあった。全体的に問題の無いできかと。

キャラ

やっぱ、男性キャラでは先生を尊敬すべきだろう。ドラマチックな3章は彼の独壇場。悪に染まる過程が緻密な精度で描かれている。悪の指導は容赦ないからね。あとは、2章の聖シナリオがハッピーエンドで良かったな。

総評

良作。ビジュアルノベルでは実に珍しいジャンルで新鮮だった。興味の無い人には苦痛を強いられるかもしれないが、個人的には興味深く飽きさせない密度の濃い内容だった。

本作では日本の歴史や制度の裏に潜む盲点を追求している。右翼思想の洗脳成分垂れ流しテキストに要注意だが、現代日本が巧妙に隠匿した過去や現状について問題提起した着眼点には脱帽。説得力のある筆力で社会の闇にメスを入れる魂の叫びは圧巻だ。ただ、作者の意見を鵜呑みにすると偏った思想に感化される危険性はある。それが狂気や妄想であるかは、客観的視点から読者自らが判断すべきだろう。

ラストはご都合主義で物足りなさは残るが、革命願望をストレートに描いている点は良いと思う。日本の未来を担う、ゆとり世代にこそ熟読して貰いたい教科書だ。

(JavaScript有効時)

悪の教科書 Textbook Of Evil

シナリオ

システム

CG

音楽

萌え

洗脳

狂気

社会批判

85

70

80

70

50

70

70

90



Update 2010/11/02  Copyright © yowamax