久坂悠は、ちんけな超能力で小遣い稼ぎをする学生。そんな彼の前に謎の少女「夜明エイム」が現れた時から生活は一変する。悠を狙う謎の存在「アヤカシ」。そして、それらを操る人々。大切な人達に危険が及んだ時―――悠の中の「アヤカシ使い」としての能力が目覚め、戦うことになる。
伝奇バトル超大作に相応しい内容で面白かったです。伝奇モノといってもシナリオ自体は特に難解な謎や凝った仕掛けもないのでお手軽です。ライトノベル感覚で楽しむ感じでしょうか。ボリュームが多いのは戦闘シーンが充実しているからです。
つーか、主人公は強すぎ。何度もボコボコにやられますが絶対死にません。怒りで脳みそが沸騰したら数十倍返しで敵をボコりまくり。まぁ、ヒーローもの特有のご都合主義が多いけど許容範囲内です。そして、悪役がヤヴァすぎ。狂気に取り憑かれてぶっ壊れる様子が最高です。とにかく目がイッちゃってて背筋が凍る臨場感出してます。
基本的に話はシリアスですが、キャラ立ちの良さが堅苦しさを緩和してくれるので、大ボリュームでも結構気軽に読めるかと。又、別視点から話を進行させて他キャラの心情を表現する等、それまでの経緯がより深く理解できるように工夫されています。通常、同じシナリオを二度読まされると必然的にダレるのですが、本作は豊富なキャラと斬新な演出が絶妙にミックスされていて飽きさせません。
見た目はオーソドックスなADV形式。起動時に毎回設定メニューが表示されるのはマイナス。本作は章立て進行ですが、一度読んだ話はストーリーチャートに記録されていき、好きな分岐から始められます。この機能はかなり便利です。既読スキップ速度は普通。バックログはホイール対応で音声の再生可。ディスクレス起動可。音量設定はデフォルトで合っていなかったので細かく調整しないとダメでした。
イベントCGは鑑賞モードによると差分を含まず501枚。その内エロCGは70枚。質はバラツキがありますが枚数は気合い入ってますね。その多さに圧倒されます。スプラッターとかホラー入ってますから、胴体や首が切断されたグロい描写もあります。
キャラデザは可愛くて好みです。エイムと陽愛はガチで、後は・・・
チビッ娘アンズ…キトァ――(゜∀゜)――!!!!
立ち絵も豊富で楽しいです。目パチと口パクありで縦横無尽に動き回ったり、ズームアップ等のアニメの小細工も充実しています。閃光や画面が揺らいだり、とにかくエフェクトを使いまくった演出の凝り方は尋常じゃないです。他にも雨や花弁が舞い散ったり、バトルシーンで刃物が飛び回る等、見ていて飽きません。それと特筆すべき点は、Jellyfishが製作したOPムービーの凄まじさ。これはかっこよすぎる。テレビアニメのようにグリグリ動くシーンは一見の価値あり。
全30曲。その内ボーカル入りは3曲。まず、ボーカルの声質が良いですね。通常BGMも雰囲気はイイ。特にバトルシーンを盛り上げる曲が多数用意されいて結構イイ感じ。他にも不気味でおどろおどろしい曲等、ホラーシーンにマッチした曲がいい味出しています。効果音は迫力があって臨場感も抜群。ボイスは各キャラの個性が滲み出ていて問題ない出来。
──お気に入りの曲──
砂の城 歌:中原涼
OPテーマ。アヤカシの運命を綴ったような儚い曲。
夜の涙、明日の想い 歌:中原涼
EDテーマ。幻想的なメロディに歌が自然に溶け込んでいる。お気に入り。
三日月 歌:中原涼
EDテーマ。スローテンポのしっとりした曲。
忘れえぬ想い
悲しいメロディだが聴き心地が良い。
不思議な転校生
ミステリアスなメロディがツボ。
濃度は予想外に濃ゆくて、CGも豊富でシチュ的にも楽しめました。流石にメインキャラは和姦のみですが、サブキャラは陵辱もありますね。イっちゃてる顔の表情と局部アップのニ分割表示等のカメラワークも上手。あと、挿入時の効果音が生々しいです。汁がドピュっと流れるアニメもエロチックな臨場感を醸し出しています。チュパ音やピストン運動時の汁音もグッド。
まさか真性のろりキャラ「アンズたん」までえっちぃが用意されているとは…まさに、出血大サービスですな。何気に主人公はタフですね。えっちぃの時だけ凄いハッスルします。回数も多いというか集中砲火。つか、いきなり7連射かよ…ええ、エロゲお約束の絶倫君ですわ。
お気に入りはエイム。綾波レイ風味のクールな言動が萌えツボを刺激。
キャラの数も20名以上と豊富。アヤカシを加えると40キャラぐらいかな。
男性キャラもイイ味出してます。何気に平馬のタラコ唇はキモかったけど。
どうでもいいけど、藤山先生はボケすぎ。(苦笑)
◆夜明エイム(よあけ えいむ) CV:カンザキカナリ (80%)
悪意ある攻撃から悠を守ろうとする謎の少女。無口で感情を表に出さない。
「悪路王」と「サトリ」、二体のアヤカシを操る。
◆薬師寺陽愛(やくしじ ひめ) CV:安玖深 音 (75%)
悠の幼馴染。ツインテール萌え。俺もねこパンチ食らいたい。(ぇ
可愛い小犬を見ると妄想モード突入。
◆パム・ウェルヌ・アサクラ CV:三園あすか (75%)
脳天気で言動が突飛なロリ少女。「天狗」のアヤカシ使い。
◆夏原織江(なつはら おりえ) CV:北都 南 (70%)
不思議な言動をする天然少女。引っ込み思案でいつもおどおどしている。
超良作。とにかく燃えバトルとキャラ萌えの融合が素晴らしい。バトルシーンで魅せる度肝を抜かれる演出に脱帽。ビジュアル面だけで言えばエロゲ最高峰かと。大ボリュームながら、中だるみせずに読破できたのは圧倒的なCG枚数のおかげ。勿論、エロCGも充実。まさに、超大作に相応しい一本。又、シリアス一辺倒では無く、個性的なキャラが適度に初々しい萌え燃料を放出していたのも好印象。
演出の良さが鮮烈な本作ですが、決してシナリオも悪くないです。まぁ、この手の作品はどうしてもバトルシーンが中心になるので、単調に見えてしまうのは仕方が無いでしょう。私的に、このお気軽設定は良かったと思います。燃えゲー好きで、ヒーローもの特有のご都合主義が許容できる方にお勧めです。