僕はキミだけを見つめる
〜I gaze at only you〜

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ブランド

れいんどっぐ

評価

ジャンル

サウンドノベル

発売日

2006/08/13

HDD

400MB以上

価格

1300円

原画

ぬい

メディア

CD-ROM

シナリオ

葉山こよーて

音声

無し

モード

CG鑑賞

プレイ時間

約17時間

備考

同人ソフト

あらすじ

都内、最強を誇った少年ギャンググループ『サーベルタイガー』。そのリーダーの佐原拓実(主人公)はキング・ブロー(悪魔の化身)の異名で裏社会で恐れ、崇められていた。だが、中国マフィアが雇った職業兇手(殺し屋)に仲間を殺害され、自分も追われる身に。やがて、ホームレスにまで落ちぶれた主人公は、ある者のボディガードを依頼される。その、ある者とは経歴不詳。謎の歌姫「風早永遠」。主人公は仲間の復讐と引き換えに、風早永遠の盾になるコトを承諾し、敢然と殺し屋に立ち向かう。

シナリオ

天使の歌声を持つ歌姫「風早永遠」と、彼女の盾となるクールなボディーガード「佐原拓実」。共に辛い過去を持つ二人が仲間達と触れ合いながら、生きる意味について考えていくヒューマンドラマ。途中、敵の襲撃や急展開の連続で目が離せません。終盤に一転二転するドラマチックな展開も中毒性ありました。

日常会話ではコント風味のお馬鹿な寒ギャグで微妙に笑わせてくれます。ボケとツッコミはバランスよく配合されてますが、結構古いアニメネタや元祖泣きゲーの名台詞が多いので、知らない人は笑えないかも。個人的にはマツシンサンバが面白かったです。それと、テキストにカタカナが多いです。意図してなのかライターさんの癖なのか不明ですが、難しい漢字ならともかく一般的な単語にカタカナを乱用するのは変な感じです。読み難くなるだけじゃないかと。

何気に視点切り替えを上手く使ってカラクリを説明するのが分かりやすかったです。仲間を殺害され復讐に燃える主人公と、夢を実現する為に集まった新たな仲間達。その相反する出会いに順応できず葛藤する様子や、複雑に揺れ動く心境の変化が丁寧に描かれています。

システム

選択肢無しの一本道で画面全体にテキスト表示されるビジュアルノベル形式。ツールは吉里吉里。全体的にマッタリして重め。クリック時にテキスト表示のレスポンスが悪くてワンテンポ遅れるのが気になりました。あと、ズーム画面から通常画面に切り替える時に一瞬ブラック画面になります。うちのマシンスペックが貧弱なのか?

既読スキップは高速。バックログはホイール対応。ジョイパッド対応。ディスクレス起動可。音楽鑑賞モードが無いのは残念。本編を読破するとメニューにアフターストーリーが追加されます。これに本作のメインとなる感動のフィナーレが描かれているので忘れずに読みましょう。

グラフィック

鑑賞モードによるとイベントCGは差分を含めて73枚。サラッと見た感じでは差分無しだと56枚で、その内エロCGが8枚程度。OPムービーの画質は粗いですが、シリアスな雰囲気は十分伝わってきました。

背景は枚数こそ多いですが、殆どが取り込み画像を暈かし加工した感じです。イベントCGは淡い彩色でアッサリした塗りに見えますが、塗り潰してしまわずに漫画チックなラフっぽい線が残る絵も混じっていて、独自の雰囲気を醸し出しています。スクロール表示やズームアップ等の小細工も面白いです。又、カットインを飛び散る血痕や光の軌跡等に使っていますが、バトルシーンの燃え演出としてはちょっと物足りないかな。でも、全体的に見ると同人にしては奇麗な仕上がりで好印象です。

立ち絵はバリエーションが豊富で表情もコロコロ変化して楽しいです。特に顔が真っ青になったりするデフォルメCGが笑えます。差分込み900枚と言う謳い文句も納得。キャラデザは萌え系とは違う感じですが、それぞれ個性的に描き分けが出来ているのはグッド。やっぱ純真無垢な永遠は可愛いですね。郁乃はネコ耳パジャマが可愛い。他のメインキャラはいまいち可愛くないですが、サブキャラに別格が一人います。そう、幼女時代の永遠にそっくりな…

チビッコ瑠璃たん萌え…(*´Д`)

サウンド

特に耳に残る曲は無かったですがピアノ曲がイイ感じです。おどろおどろしい曲やギャグパートで使う賑やかな曲、他にも幻想的な和風の癒し曲等、イベントにマッチした曲が多数用意されています。特にインパクトがあって笑えたのは教授のBGM。あのポンコツ風味な音色は気が抜けるぐらい香ばしいです。

サウンドノベルだけあって、よくあるドアや床がきしむ音や携帯の着信音等の他に、ホラー系の恐怖をかきたてるリアルな効果音が多数用意されていて臨場感出てます。どこか「ひぐらしのなく頃に」を彷彿させますね。ただ、歌姫がヒロインの物語で、コンサートイベントを筆頭に歌唱シーンが数回あるだけに、ヴォーカル曲を流して欲しかった。より感動的な余韻を残す為にも効果的だったかと。

Hシーン

濃度はかなり薄め。テキストやCGは淡白で汁描写も無きに等しいです。それに加えてボイスや効果音が無いので臨場感も激減してます。エロゲーのお約束通り、終盤に強引に挿入するパターンですが少し違和感ありますね。本作は18禁にしなくても楽しめたように思えます。

本番は唯ママと永遠のみですが、裸体のサービスショットは他キャラでもあります。個人的には唯ママのスパルタレッスンをもっと受講したかったです。ドス黒いマイクを咥え込む妖艶なオーラがいいですね。(笑) でも、うちの下半身のパトリオットミサイルは迎撃体制のまま沈黙。(苦笑) 莉亞の視姦シーンは、もっとサービスショットが欲しかった。

キャラ

お気に入りは永遠。主人公の拓実は強いけど敵は更に強力。それでも次々に修羅場を潜り抜ける超人的な度胸と冷静な感性がカッコイイ。個性的で濃いキャラが揃っていて掛け合いが面白いです。元傭兵の「アル」やハードゲイ?で脳天気な「七里」が地味にいい味出してます。サブキャラではキモすぎる変態老人キャラ「教授」が笑えるけど、濃ゆすぎて寒いかも。ハチャメチャ婦人警官の零美はちと浮いてるね。イケイケ風味ボディコンは面白いけど…。

風早永遠 [かざはや とわ] (65%)
メインヒロインで主人公に護衛される歌姫。複雑な事情が絡み中国マフィアに命を狙われる。天使の歌声でファンを魅了するが、中身は純真無垢でおっとりした天然ちゃん。好きな花は向日葵。時代劇と「すもも」をこよなく愛する。怒った時のジト目も可愛い。

真名瀬莉亞 [まなせ りあ] (60%)
永遠のスタイリスト。毒舌とBB弾を炸裂させる勝気な銃撃娘。

片瀬郁乃 [かたせ いくの] (60%)
事務所の雑用兼衣装係で、スク水とシャンプーハットを愛用するロリ風味少女。料理と裁縫が得意でステージ衣装からメイド服まで手掛ける。「うきゅ!」とか変な口癖もさることながらボケ加減もイイ。

森戸美夜 [もりと みや] (55%)
永遠のマネージャー。クールで鉄面皮。知的な雰囲気を醸し出す眼鏡がトレードマーク。

総評

前半は緻密に計算されたシリアスなサスペンス。後半は涙を誘う感動のヒューマンドラマ。この配合バランスが絶妙で、後味爽やかな心地良い感動に浸れました。特にシナリオは読み応えがあり、ビジュアルやサウンド面の弱さを補って余りあるくらい良い出来でした。特に終盤に魅せる今まで散りばめられた伏線の怒涛の回収劇が圧巻。物語の構成も矛盾なく紡がれていて、同人にしては稀に見ぬ良作かと。

ただ、商業作品と比べると演出面の弱さが目立ちます。テキストが素晴らしいだけに戦闘シーンでの地味な演出が気になりました。本作のような生死を賭けたシリアス展開の場合、燃えバトルも重要な要素となり相応に期待してしまうだけに惜しいです。それでも、同人という制約があるにも拘らず豊富に用意されたCG等から、多大な情熱が注ぎ込まれていることは明らかで、そこに未完成でリリースされることが多い商業作品とは一線を画す拘りを感じずにはいられません。

恐るべき潜在能力を持った同人サークルが、また一つ心のチェックリストに追加されました。ここは次作にも期待大です。

(JavaScript有効時)

僕はキミだけを見つめる

シナリオ

システム

CG

音楽

萌え

エロ

笑い

感動

90

65

70

70

60

20

70

85



Update 2006/12/18  Copyright © yowamax