終戦から6年後の昭和26年2月。東京では、上野で起きた「連続バラバラ事件」のニュースが連日報じられ、世間を不安に陥れていた。元警察官の高城秋五(主人公)は、遊郭の一室を間借りしながら探偵まがいの仕事で食い扶持を稼いでいた。そんな秋五のもとに、かつての上司・有島警部から良家息女の失踪事件の捜査の依頼が舞い込んだ。早速、捜査を開始するが、捜査を進めていくうちに、この失踪事件と今を騒がす猟奇事件が関わっていることを知り……。
惨忍な連続猟奇殺人事件の真相を究明していくホラーミステリー。恐怖や狂気を扱った話なので、どこか「ひぐらしのなく頃に」を彷彿させる痛い描写がありますね。
この物語のメインとなるトゥルーエンドは、何が虚構で何が真実なのか最後まで目が離せず、終盤の駆け引きをドラマチックな演出で盛り上げてくれるので、どっぷり嵌ってしまいました。残りの殆どはヒロインが救われないエロ補完的なシナリオです。これらは伏線を未回収のまま放置する等、工夫不足が目立ちます。Leafの「痕」みたいに痛いエンディングが多いのですが、各ルートで事件のヒントを小出しにして、先が気になるように誘導して欲しかったですね。
基本的に一本道の物語ですから、必然的に共通ルートが長くなってスキップ時間が増えます。それ故に、トゥルーエンドを最後に見ることをお勧めします。先に真相が判明すると残りはCG回収作業になってしまいますから…。でも、トゥルーエンドもハッピーエンドと言えるのかよく判らないですね。想像にまかせる奇麗な終わり方も悪くはないのですが、やはりきっちり後日談を入れて欲しかったです。
『ギュッと!』のサーバー重すぎ。約1GBの圧縮ファイルのDLに1時間超…orz
ゲームの起動は激遅でイライラします。毎回実施されるこの起動チェックはユーザ認証済みのDL版では無意味でしょう。是非改善して欲しかったです。ゲーム起動後は問題なく快適なだけに非常に惜しまれます。基本的にオーソドックスなADV形式ですが、犯人視点を縦書きで表示する等の細かい工夫も施されていて臨場感タップリ。既読スキップは高速。バックログはホイール対応で音声の再生可。
鑑賞モードによるとイベントCGは差分を除いて200枚。その内、エロCGが65枚。奇麗なCGが豊富に用意されていて見応えあります。戦後間もない時代設定の為、ヒロイン達が和服で登場するのがレトロチックで新鮮。又、豊富なカットインや合成CGをゆっくりスクロールさせる映画のような演出が斬新。背景は薄暗い色彩が中心でスプラッターな雰囲気を醸し出しています。
猟奇モノだけにホラー系のグロ絵てんこ盛り。手足の切断面や血走った眼球が露出する部分等もリアルに描かれています。ただ、あまりに酷いシーンでは一部血の色をドス黒く表現して、生々しさを緩和しているように見えます。キャラデザは可愛く好きな絵柄です。サラシに和服は美味しいですな。凛のデフォルメされたコマ絵も可愛いっす。
幻想的な映像で構成されたOPムービーは渋い出来です。しっとりした主題歌と見事に混ざり合って、独自の世界を表現しています。あと、トゥルー以外のエンディングで流れるスタッフロールの文字は小さすぎて読めないw。
全23曲。特に印象に残る曲はなかったのですが、しっとり落ち着いたピアノ中心のミステリアスな和風サウンドと、おどろおどろしい曲が作品にマッチして結構良い感じです。OP曲「恋獄」は、霜月はるかさんの澄み切ったヴォーカルが心地良い、奇麗で儚いメロディで良い選曲かと。ED曲はBGMだけですが、ちと地味すぎかも。
濃度は純愛系標準より濃いめ。序盤から満遍なく挿入されているのが良かったです。テキストはキャラによっては退屈で冗長だったり。特に楼子とのHシーンに至る過程は唐突で不自然。でも、体位のバリエーションが豊富でCG枚数も多いので飽き難いかと。濡れて下着が透けた初音タン萌え♪ ちなみに妹との近親相姦もあります。
ボイスはキャラによって臨場感にかなり差がありますね。特に雨雀姐さんのパイズリ&バキュームや乙羽の熱演が光ってました。ただ、男性キャラのよがり声はわざとらしい。つーか、キモすぎw。じゅるじゅる響くチュパ音や、破瓜の血を含む汁描写は良好です。
お気に入りは・・・ろり×1.5=初音タン。(爆) <また同じパターンかよ
初音って名前はロリっ娘の代名詞? 彼女を妹にして欲しかったw。
本作の主人公はハードボイルドが売りだったEVEの小次郎とは正反対。かなり間抜けでかっこいい活躍はしません。でも、ことごとく事件に首を突っ込んでいくので、物語を進める上では必要なキャラなんでしょうね。いや、ヒロイン達を片っ端から食っていく時点で、エロシーンで大活躍と言えるのか…。(笑) まぁ、ヘタレな主人公の代わりに、他のキャラの個性が発揮されて物語を盛り上げてくれるので、上手くバランスは取れてますね。
◆上月和菜(こうづき かずな) CV:秋城柚月 (65%)
舞台女優を目指す世間知らずな天然少女。明るく元気な性格だが落ち着きがない。失踪した姉の捜索を主人公に依頼する。
◆初音(はつね) CV:雅姫乃 (70%)
遊郭「雪白」で下働きする礼儀正しいロリっ子。主人公にはよく懐いており、何かと世話をしてくれる。主人公を皮肉る冷たいジト目も萌える。(ぉ
◆高城七七(たかしろ なな) CV:一色ヒカル (55%)
主人公の妹で私立華陽学園に通うボクっ娘で、常識を無視した饒舌天才眼鏡っ娘。単独で連続猟奇事件の捜査を開始する。神出鬼没でエキセントリックな言動や行動が多い。
◆蒼木冬史(あおき とうじ) CV:森井花音 (50%)
主人公の親友で上野界隈を拠点とする組織「死の腕」の幹部。窮地に陥った主人公を度々救ってくれる。
◆雨雀(うじゃく) CV:奥田香織 (50%)
遊郭「雪白」の経営者。姉御肌で面倒見がよい。あの妖艶な魅力の虜に…。(ぇ
◆凛(りん) CV:吉沢悠亜 (60%)
遊郭「雪白」で働く娼婦。明るく屈託のない性格で主人公と特に仲が良い。
「秋さんのミルクを搾り取るっすよ」(笑)
◆綾崎楼子(あやさき たかこ) CV:井村屋ほのか (60%)
私立華陽学園に通う七七の同級生でお嬢様。おっとりした天然系の性格。主人公に一目惚れし、今でも健気にその想いを持ち続けている。「私の特技は自慰ですの!」(笑)
◆祠草時子(しぐさ ときこ) CV:緋倉怜 (50%)
貧民街を徘徊している謎の女性。
◆乙羽(おとは) CV:北都南 (50%)
遊郭「雪白」で働く娼婦。
◆深水薫(ふかみず かおり) CV:サトウユキ (30%)
七七が通っている学園の教師。シスターの衣装を身に着けている。
ホラーミステリー特有の中毒性があって十分に満足できました。本作はDL販売で購入したのですが、音楽は及第点以上だし、シナリオやCGの質、量共に良作レベルなので、かなりコストパフォーマンスは優れているかと。「EVE」「FOLKLORE JAM」「the Black Box」等の、謎解きメインのミステリーが好きな方にお勧めです。
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