虚淵氏の作品は「沙耶の唄」以来です。彼のブランクが長いのと、NiΘ氏の萌え成分に乏しい原画を見て不安が募り、流石に購入を躊躇しましたよ。でも、エロゲー業界でハードボイルドを書かせたら右に出る者はいないと語り継がれる伝説を信じて、人柱になることに決めました。
ゲームタイトルは何か微妙ですね。「殺戮」とか「地獄の賞金首」の部分は本作そのものですが、「続・」とか「ジャンゴ」は意味不明です。マカロニウェスタンの代表作からパクって、組み合わせただけだったり…。
辺境の惑星・スイートウォーターに、法を蹂躙し敢然と権力に立ち向かった反逆の英雄にして、50万ドルの大賞金首「黒のフランコ」が再び現れた!フランコの賞金を狙って、一味を追う冷酷非情な賞金稼ぎリリィ。だが彼女の前に、同じく賞金を狙う決して名前を名乗らない金髪の女ガンマンが立ちはだかる。フランコを仕留めて賞金を手にするのはいったい誰か?反撃に出たフランコ一味の郎党も加わって、街には三つ巴の大檄斗が吹き荒れるのだった─。
SF風味な西部劇の良作です。当初の不安は杞憂に終わりました。もはや眠っていた虚淵玄の燃える魂が完全復活したと言っても過言ではないでしょう。摩訶不思議な西部劇と下品なお笑いの融合がお見事。爽快なガンアクションを堪能できます。そしてコミカルな掛け合いで栄養補給。簡潔で無駄が無くコンパクトにまとまっていて中だるみが皆無。個人的にサクサク進む仕様はストレスが溜まらなくて良かったです。相変わらず途中で中断できない中毒性あります。
今回は女性キャラが主人公なので、自分の身体を餌に使えのは新鮮ですね。精密に張り巡らされた伏線の回収に加えて、終盤に魅せる殺戮の嵐は爽快です。ぶっちゃけ、極度の銃マニアである虚淵氏の掌の上で弄ばれている感じは拭えませんが、一体この満足感は何なんでしょう。まぁ、進化した虚淵ワールドを楽しむには深く考えたらダメってことですね。
オーソドックスなADVで一本道のシナリオです。選択肢は10個ですが全て二択で間違えると即バッドエンド。これは無理矢理つけたような感じで殆ど意味無いですね。殺戮シーンでマウスをクリックしている間だけ弾が発射される等、遊び心をくすぐる小細工もニヤリとさせられます。
メーカーの動作保証外ですがWin Meでも普通に動きました。ただ、うちの貧弱な環境(P3 800MHz)では全体的に動作が重いです。ある程度のマシンパワーが必要かもです。メニューの表示はもっさりしてマイナス。しかも、ロードが遅すぎ。初代ファントムで使われた旧マクロメディア製の再来かと疑いましたよw。それと、派手な演出シーンではクリックの反応が鈍りました。数回クリックしても反応しなくてイライラさせられたり…。
CGは映画を意識しているのか画面の上下が切れたワイドスクリーンで表示されます。既読スキップ速度は普通。バックログはホイール対応で音声の再生可。ディスクレス起動不可。ちなみに、タイトル画面でコロコロ転がってる変な物体をクリックすると、細かく分割されたシーン回想一覧が表示されます。
鑑賞モードによると差分を含まず123枠あります。これにはイベントCGの他に背景やカットインも含まれます。その内エッチCGは24枠。いつもの中央東口氏じゃないだけにちと不安でしたが、彼とはまた違った意味で濃いキャラデザなので全く問題無かったです。特に本作のような下品で笑えるコメディ仕様では、NiΘ氏のセンスが際立ちますね。もう、フランコのデフォルメ絵が面白すぎ。あのニヤケ顔をだけで満腹ですw。
薄暗い背景CGに味がありますね。3Dで超緻密に描かれた渋い絵が、この世界観にマッチして独自の雰囲気を醸し出しています。それと、強風で砂が舞い上がったりする演出等も凝りまくりですね。今回はカットインやアニメを上手く使ってバランスよく盛り上げています。以前はテキストと静止画が中心で、シナリオライターの卓越した表現力で突っ走った感じがあっただけに、これは大きな進化です。
カメラワークを上手に使ったズームアップ等の演出も新鮮。ただ、拡大すると主線のギザギザが目立って雑な感じがするのはマイナス。単にCGを拡大するだけじゃなくて、綺麗に処理した絵を個別に用意して欲しかった。何気にキャラデザも細かい点に拘ってますね。特にリリィの胸をさらけ出した異様にエロいコスチュームとか新鮮。それに、馬面のキャラとか奇妙な容姿の異星人達がゾロゾロ登場して見てるだけで笑えます。OPムービーもマカロニウェスタンの雰囲気たっぷりで渋い仕上がりです。
全35曲。その内ボーカル入りは4曲。レベル高いですね。西部劇と見事にマッチしてかなりの高品質です。スペインとかフラメンコ風の賑やかな曲が楽しいし、効果音も素晴らしいですね。それに、銃の発射音等の効果音も凄い臨場感で、かなり盛り上げてくれます。ボイスも個性的で無難な出来。メインヒロインのハチャメチャ具合が、わざとらしい気もしなくはないけど。
──ボーカル曲──
Brindiamo!俺たちに乾杯 歌:ワタナベカズヒロ
OPテーマ。これぞマカロニウェスタン。賑やかで渋い曲。
スイートウォーター 歌:いとうかなこ
和み系のしっとりした曲。ヨーロッパ民謡っぽいか。
ColdMetal 歌:ワタナベカズヒロ
EDテーマ。どこか中国映画を意識したような壮大な臨場感。とにかく濃ゆくてかっこいい。
改心して虚淵2.0にレベルアップしたのでしょうか? 好感度とか萌えフラグの概念が抹消されました。その罪滅ぼしなのか初めから淫乱フラグがONに設定されています。(意味不明)
濃度はそこそこですが、いつもの激薄仕様と違って下品なエロに気合いが感じられます。萌えを切り捨てて全ての穴を酷使する本能丸出しの入れ食い…もとい、コメディテイストに仕上げたのは正解。菊門までくっきり描写されていました。まだ、期待できるレベルには達していませんが、触手とかゲテモノ成分が混入されているだけに、クリック連打を回避させるぐらいの要素はあるかも。(笑) ていうかエロ萌えは皆無なんで、ラブラブなシチュに期待する人には全く適していませんw。
わざとらしい喘ぎ声とスローテンポでコメディ調のBGMが見事にシンクロして結構笑えるね。しかも、出てくる女性キャラが全て底無し淫乱で非処女だから、お約束のように陵辱が中心です。てか、あれだけ輪姦されまくっても平気な顔で立ち直るヒロイン達に乾杯。もはや、あの打たれ強さは漫画の世界ですな。ただ、ナニが異常にデカイ! ぶっちゃけアンバランス。やっぱ、笑いを取りに逝ったのかな?
萌え要素が皆無に近い本作なのに、アルフィーのえっちぃシーンが無いなんて…。血迷うのもいい加減にして欲しいものです。(苦笑) ゲンガーさんも巨大なナニを描いてる暇があったら、アルフィーを剥かせろやっ!…と小一時間(略) ぶっちゃけ真っ当なヲタを釣る気があるとは到底思えません。(ん??)
まさか、アソコで咥え込んでナニを食いちぎるなんて…(>_<)いたたた
◆黒のフランコ CV:岩田由貴 (20%)
総額50万ドルの賞金首。無法者たちの間で英雄視されている。
もう、馬鹿でハイテンションで下品な言動が面白すぎ。
◆名前のない女 CV:鈴美巴 (20%)
金髪がトレードマークの女ガンマン。通称:ブロンディ
冷淡な性格。その美形な容姿に騙されると…(゚皿゚;)
◆リリィ・サルバターナ CV:篠崎双葉 (10%)
『禿鷹』の異名で恐れられる、冷酷非情の女賞金稼ぎ。
実はレズビアンだったり…。
◆アルフィー CV:鮎川ひなた (30%)
リリィの忠実な従者にして性玩具。
短編ですが十分面白かったです。これは良作でしょう。今までの虚淵作品と同じく萌え要素は皆無ですが、燃えの破壊力は容赦無しです。又、今回は西部劇ということで銃器への拘りが尋常じゃないですね。燃えイベントの連鎖と凄腕ガンマン達との決闘シーンでの静寂等が、心地良い緊張感を増幅させます。この間の描き方は絶妙というか神懸ってますよ。
他にも、緻密で渋い質感の背景や3Dで描かれたリアルなCG、笑いを狙ったポンコツBGMを流しながらの淫乱陵辱等、相変わらずマニアック街道一直線ですな。かなり人を選ぶ博打的な作品ですが、燃えを求める虚淵ファンなら間違いなくお勧めできるかと。