真冬。粉雪の舞う大都市に“魔王”が出没した。望みは、無論、人間社会の崩壊である。主人公・浅井京介は、学園に通うかたわら、養父のビジネスを手伝って、存外な大金を動かしていた。けれど、彼は普段はクラシックを愛するひょうきんで明るい青年で、楽しい学園生活を送っていた。そんな京介の平凡な日常にも、不穏な事件によって危機が迫っていた。一連の事件はすべて“魔王”の仕業だという。そんな時、一人の少女が訪ねてくる。十年ぶりの再会。
――いま、命をかけた純愛ドラマの幕が上がる――
まず、暴力団の息子が主人公ってのが新鮮。極道をアゴで使う鬼畜設定ながら、純愛ドラマとシリアスなミステリーが上手く融合していて面白かったです。勿論、体力勝負の肉弾戦もありますが、伝家の宝刀である頭脳線は健在なのでご安心を。
今回は驚愕するトリックこそ無かったものの、緻密に計算された仕掛けは流石に楽しいです。随所に張り巡らされた伏線でミスリードを強制させて、強引とも取れる力技で回収しています。それでもテキストの面白さは見事と言わざるを得ないです。
シリアスとギャグのバランスが絶妙。個性的にヒロインが揃っていてキャラ立ちが良く日常会話が面白いです。特に濃ゆいサブキャラで完全包囲する辺りは抜け目無し。凶悪で冷酷な魔王の存在は勿論のこと、極道魂全開でドスを効かせた権三のド迫力に乾杯。あと、エテ吉のキショいシリアスモードと寒いボケで爆笑してました。つーか、アフォすぎるw。主人公と心で会話できる超人ぶりを発揮してくれますわ。古いアニメネタとかも笑えましたね。
命を懸けた駆け引きと戦闘が燃えますね。特に5章の超展開が熱い。絶体絶命の危機を乗り越えてハッピーエンドかと思いきや、最終章のクライマックスで、あんたも知ってのとおり、涙腺壊れるから。(笑)
特に動作に問題無し。見た目は普通のADV。たまにビジュアルノベルみたいに全画面テキスト表示に変わります。演出は凝ってるけど吉里吉里を大幅にカスタマイズした感じ。既読スキップ速度は普通。バックログはホイール対応で音声再生可。ジョイパッド対応。起動ディスク必要。
鑑賞モードによるとイベントCGは差分を含めず129枚。その内Hシーンは21枚。一部、立ち絵とイベントCGで印象が変わるものもあるけどクオリティは安定。デフォルメされたCGも面白い。ハルの髪の毛がCGによって、青─黒─紫と変化するのは意味不明。(苦笑) OPムービーは痺れました。めっちゃかっこいいです。劇中で流れる雪の演出も凝ってますね。
全67曲。その内ヴォーカル入りは3曲。特にボーカル曲がクオリティ高いです。全体的にはクラシックのアレンジが多くて落ち着きますね。ただ、似たようなアレンジが多いので、体感的にはそれほど曲数が多いと感じなかったです。質はバラツキがあります。良い曲もありますが、どこかで聴いたような曲もあります。ボイスは有名声優を起用しているだけあって問題なくマッチ。
──ヴォーカル曲──
「Answer」 歌:片霧烈火
OPテーマ。勇者と悪魔の激突を感じさせるノリノリでかっこいいロック。
「Close Your Eyes 」 歌:彩音
挿入歌。Treating2Uのように哀愁漂う良曲。
クライマックスに絶妙なタイミングで流れ余韻を残すミディアムナンバー。
「雪の羽 時の風 」 歌:茶太
EDテーマ。ミステリアスなミディアムバラード。綺麗な声質がグッド。
エロCGはヒロイン毎に5枚程度。濃度は純愛系標準ぐらい。バッドエンドの陵辱っぽいのから、ラブラブな和姦まであります。ただ、テキストは丁寧なわりに思ったよりエロくないというか冗長。チュパ音はジュルジュル再生されて臨場感出てる。処女厨ご用達の破瓜の血も抜かり無し。
でも、知的なおねいさんキャラのユキと、ギュッポギュッポしたかった。(ぇ
半すべりギャグが特技の主人公だけど、ヤる時はヤる漢で熱いですな。
サブキャラを含めどのキャラも存在感あります。いわゆる空気キャラがいないのがグッド。
◆宇佐美ハル(うさみ はる) CV:かわしまりの (70%)
ミステリアスな雰囲気の幼馴染。冷静で思慮深く、とてつもなく意志が強い。愛称:うさみん
毛髪ボーボーだし無機質な紫色の眼が怖すぎる。基本鬱キャラなんでキモいけど我慢。
慣れれば一途な想いに萌えるかも。キモ可愛い?(笑)
◆浅井花音(あざい かのん) CV:河合春華 (70%)
主人公の義理の妹。フィギュアスケートの実力は全国レベル。愛称:のんちゃん
◆美輪椿姫(みわ つばき) CV:紫華すみれ (70%)
純情で控えめな性格の巨乳なクラスメイト。日記をつけるのが趣味。愛称:バッキー
◆白鳥水羽(しらとり みずは) CV:海原エレナ (70%)
学園の理事長の娘。無愛想なツンデレツインテール。
緊張感のある交渉の駆け引きを楽しむ作品かな。推理モノ好きや、るーすぼーい信者はガチ。もし、ハズしても初回特典の超重量原画集で筋トレできるから、今流行の健康管理ソフトだと思えば損はしないかも?(笑) まぁ、前作「車輪の国…」みたいな驚愕する衝撃は無かったけど、読み応えのあるボリュームだったし、どっぷり嵌って楽しめたので超良作認定。
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