ブランド | Nitro+ | 評価 | 10 |
ジャンル | ハートフル近未来学園ADV | 発売日 | 2002/09/27 |
動作OS | Win98/2000/Me/XP | 価格 | 8800円 |
HDD容量 | 最小700MB、最大2GB以上 | メディア | CD-ROM×4 |
原画 | きんりきまんとう | BGM | PCM |
シナリオ | 南條しかし | 音声 | 有り |
モード | CG、ムービー、Hシーン鑑賞 | プレイ時間 | 約74時間 |
備考 | 初回特典:1/1キューちゃんバル〜ン人形、キャラクターカード5枚、B5版ビジュアルBOOK |
◆はじめに |
この作品は発売日にげっちゅしてましたが、めっちゃ長いと評判だったので1年半ぐらい積んでました。つか、パッケージがデカすぎて場所取るちゅーねん! そろそろ、まったりプレイしようと思い、まずはキューちゃんバル〜ン人形を膨らませて…。(違 |
◆突撃結果 |
まさか普通のエロゲー3本分の時間を費やすとは…。いつも通り、音声を漏らさず聞いてフルコンプしたけど噂通り長かった。もう「クラスタ」が耳にこびり付いて離れません。何気に、とらハ3以来、約2年半ぶりに最高評価で殿堂入り。 |
◆あらすじ |
人間と違わぬ程に精巧な擬態機能と頭脳を備えたロボットである主人公の友永和樹は、彼を作った存在”HIKARI”から人間の感情を調査する事を命じられ、学生として皇路学園へ潜伏する。そして、そこで彼には理解出来ない感情を持って接してくる女の子達と出会う。彼女達に翻弄されつつも交流を深めることで、情報価値は興味や好意となり、彼の中に命令ではない彼だけの価値観を作り上げていく。近い未来、運命的な決断を迫られる事を知らないままに…。 |
◆シナリオ |
ITが発達した2020年の東京を舞台に人間型ロボットの活躍を描いたSFもの。まず驚いたのは、いつも硬派なニトロ作品に萌え要素が追加されて、堅苦しさが軽減していたこと。流石にニトロプラス初の萌えゲーと豪語するだけのことはあります。哲学的表現を多用したテキストも説得力がありました。ロボットと人間の共存をテーマに、主人公とヒロイン達の触れ合いを描いた繊細なテキストセンスは、既存のニトロ作品には感じられないもので新鮮でした。 前半はほのぼのした萌えイベントが中心でまったり学園生活を楽しめます。機械的な思考しか出来ないロボットである主人公が、ヒロイン達との交流によって徐々に成長して人間らしい感情を覚えていきます。未知の感情の芽生えに途惑う様子や各ヒロイン達の感情の揺れ動き等が、素直に描かれているので感情移入しやすいと思います。キャラ同士の絡みも多く日常会話も楽しいです。各キャラ達が隠し持つ心の内面の謎めいた部分の見せ方も上手く、戦闘だけが目立つヒーロー物と一線を画す物語が構築されています。 後半はいつも通り定評のある熱い戦闘が展開されます。カーチェイスや空中戦等、得意の銃器を使用した見せ場がてんこ盛りです。あの修羅場続きの燃えバトルは過去のニトロ作品の中でも屈指の出来栄えかと。全く隙の無い緊迫感の演出は、もはやこのメーカーの専売特許でしょう。入念に練りこまれた世界観も見事な完成度。張り巡らされた伏線の回収もバッチリ。あの膨大なシナリオが綺麗に収束する様は圧巻かつ爽快。心に深く残る感動と心地良い余韻に浸ることが出来て大満足です。 しかも、この主人公は単純な人工知能ロボットじゃありません。ヒロイン達との会話を見ているとエロゲーお約束の鈍感君なんですが、脳内の電覚を使って電脳空間にアクセス出来る優れものだったりします。ネット制御されている機器を自由自在に操れる凄いヤツなんです。当然、サイバーテロ組織との対決等もあるので、話の先が気になってゲームを途中で中断出来ないぐらい嵌りました。 あと、エンディングについてですが、TrueEndでは各ヒロインごとの違いが殆ど感じられなかったのが残念です。最初の一周目は感動したのですが二周目からはルートが重複するので鮮度が劣化してしまいます。でも、そのマイナス点を差し引いてもNormalEndの完成度は凄かったですし、不明だった謎が徐々に明らかにされていくので中毒性がありました。お約束のような救済では無く、あの綺麗で儚いエンディングは素晴らしい限りです。 |
◆システム |
基本的な機能は揃っているので特に問題無かったです。多分、デモンベインと同じシステムだと思いますが、フルインストール時にCDレスでプレイ可能なので今作の方が使い勝手は良いです。既読スキップはCGの描画無しに設定するとかなり高速ですが、どうせなら瞬時に次の選択肢まで飛ばして欲しかったです。バックログで音声が再生出来ないのと音楽鑑賞モードが無いのは残念です。特にバックログはマウスホイールに未対応かつ反応が遅いのが気になりました。 通常の文章は画面下部のメッセージウインドウに表示されますが、会話シーンでは立ち絵のすぐ横に台詞が表示されます。立ち絵と顔ウインドウも上手く使い分けていて分かりやすかったです。尚、スペースキーでメッセージウインドウを消去出来ます。 かなり長いゲームなので、クリア時間についても触れておきます。まず、最初の1キャラ攻略に38時間。残りは1キャラ9時間×4人。最初の1キャラを攻略しただけでも他のエロゲーより満足度は高かったです。基本的にメインのルートは固定されています。二周目からもそのルートに沿って話が進みながら、途中でヒロインごとに個別イベントが発生する仕様です。ちなみにエンディングは11パターンあります。 |
◆グラフィック |
鑑賞モードによるとパターン違いを除いてイベントCGが363枚、背景CGが175枚。合計538枚ですか…。これに差分含めたらいったい何枚になるんでしょう。多分、私が今までプレイしたエロゲーの中では一番枚数が多かったと思います。流石に、これだけCGが多かったらイベントも次々に起こせるので飽きにくいのは当然って感じします。いやはや職人さん達に脱帽です。 この圧倒的なCG枚数が濃厚な世界を見事に演出しています。特に背景に使用されている3Dで描かれたCGはかなり美麗だと思います。学園等の建築物も近未来の雰囲気が伝わってきました。背景やイベントCGをスクロールさせて全体表示させたり、立ち絵表示中に背景を暈かす演出も凝ってました。まぁ、購買でパンを買ってきたのに弁当を食べてたりする矛盾した絵や、立ち絵とイベントCGのデザインが微妙に違ったりと、ちと違和感の残る絵もありましたが気になる程でもなかったです。 立ち絵のパターンも結構多く、キャラの表情もコロコロ変わるので面白いです。白目や滝涙等、デフォルメ系の絵も装備。体育着はお約束のブルマ…って今までのニトロ作品では考えられませんね。キャラごとの描き分けも問題無し。立ち絵をアップ表示したりと遠近感も上手く表現していました。 奈都美はぷにっ娘風味ですが、どうせなら、もっとぷにぷにした感じにして欲しかった。キャラデザはそんなに萌えって感じでは無いのですが、奈都美だけは例外で、ボイスが加わると不思議と萌えます。特に胸を突き出したブリッコポーズがお気に入り。 静止画を使った戦闘シーンも健在で相変わらず渋くてカッコイイです。ロボット、車、戦闘機、銃器等、近未来の斬新なデザインのメカがてんこ盛りで見ていて飽きないです。いつもながらマニア受けしそうなセンスは凄いですね。 OPムービーは爽やかに仕上がっていてかなり良い出来です。アニメ処理も滑らかで綺麗です。未来の地球とデジタルなサイバー空間の雰囲気が伝わってきました。絶妙なタイミングで流れるEDムービーも背筋にゾクゾクきて感動させてくれました。 |
◆サウンド |
カッコ良さに定評があるニトロサウンドは健在でした。今回もゲームの世界とマッチして気持ち良く盛り上げてくれる高レベルな曲が揃っていました。特にボーカル曲と戦闘シーンの曲が素晴らしかったです。もう、戦闘シーンの臨場感溢れる音楽に痺れまくり。カッコイイ燃えバトルを見事にサポート。あと、クールで渋いニトロサウンドの中で「アルファのテーマ」だけはぶっ壊れてましたね。あれは絶妙に音程を外したぴょんぴょん毒電波で脳内を活性化させ、VIFC会員に洗脳しようとする魂胆が垣間見えます。(をぃ 音声も特に問題無かったです。と言うか上手すぎでしょ。特に、奈都美のとろける萌えボイスは病み付きになりました。あれだけ長いシナリオなのに音声がフルボイスなのは凄いですね。デモンベインみたいに中途半端に消えたりせずに、喋りまくってくれたので大満足です。まぁ、その分プレイ時間が長くなりましたが…。 −お気に入りの曲− ・青い記憶(歌:いとうかなこ) OPテーマ。とにかく爽やか。地球環境ソング? ・煌星(歌:いとうかなこ) EDテーマ。しっとりしたボーカルがEDの感傷に浸るのに最適。まさに名曲。 ・Blaze Up(歌:いとうかなこ) EDテーマ2。ノリノリな音楽が気持ち良いし、カッコイイ! |
◆Hシーン |
えっちCGはパターン違いを除いて全部で45枚程。枚数は結構多い方だと思いますが、他のCGと比べるとクオリティは低いような気がします。和姦が基本ですが中には陵辱っぽいシーンもあります。濃度は普通の純愛系よりは濃いかなってレベルですが汁描写やチュパ音もちゃんとあります。多分、ニトロプラス作品の中では最高濃度かも。ハロワからエロもまじめに作ってたんですね。まぁ、沙耶の唄でまた原点に戻ったみたいですが。(笑 何気にエロ先生の裸エプロンが美味しかったです。この主人公ってエッチな場面に反応して直ぐにクラスタを活性化させるんだよね。やっぱ、エロ機能がかなり強化されたロボットなんでしょうか?(爆 |
◆キャラ ( )内の数値は萌え度 |
やっぱ、モバイルステッキに乗ったポンコツな奈津美が一番でしょ。 全体的に個性的なキャラが揃っていて面白いし主人公もカッコイイ。 サブキャラでは純子さんがいい味出してました。つか、攻略したかった。 ■愛原奈都美 CV:まりあ (90%) メインヒロイン。おっちょこちょいで直ぐにパニクる脳天気なボケボケ少女。 動物が好きで優しい性格。ペットロボットの「キューちゃん」をいつも連れて歩く。 喜怒哀楽が激しくコロコロ変わる表情が萌えエネルギーを増幅させます。 あの甘ったるい萌えボイスに何回萌死させられたことか…。 ■笹ヶ瀬 薫 CV:須本綾奈 (70%) 負けず嫌いなつり目の水泳少女。奈都美をおちょくるのが日課。 愛称は「かおるん」。競泳用水着のクイコミが…堪らん。<マテ ■北城千絵梨 CV:鳥居花音 (65%) めっちゃ寒い駄洒落をマイペースに連発する北城財閥のお嬢様。 無口で絵を描くのが好き。いつも軍事用輸送ヘリで通学する。 ■久我山深佳 CV:夏野向日葵 (65%) 若佳菜の妹。メカ好きでぷにぷにしたおこちゃま。コンピュータも得意。 自分のことをボクと言う。やっぱ幼児体型のロリっ子はデフォだね。(ぇ ■久我山若佳菜 CV:岬 友美 (65%) 深佳の姉。主人公のクラス担任で現国教師。コンピュータのスペシャリスト。 ポルシェのハンドルを握ると性格が豹変する。お姉さんフェロモン出てますな。 |
◆総評 |
ハロワに出会えて、我がエロゲー人生に一片の悔いなし! ニトロプラスの職人魂の乱舞を全身で感じて燃えまくれ! 見事に練り込まれたシナリオと妥協を許さずに投入された燃えCGを、珠玉のニトロサウンドで抱合。燃えの破壊力は過去最高。SFサイバーメカアクションの境地ここに降臨。更に従来のニトロ作品の弱点だった萌え要素を強化。脳内を掻き回す奈都美のとろける萌えボイスさえあればご飯三杯は確実。大量に詰め込まれたイベントがアドレナリンの分泌を促進させ、中だるみ無く全く飽きずに完全燃焼出来ました。 久しぶりにエロゲーに嵌ったなって感じです。本心で面白いと思いました。と言うかエロゲーの枠を超える逸品かも。まさに、SF好きなら迷わずプレイして頂きたいニトロプラスの最高傑作かと。是非、映画化して欲しいです。ハロワやデモンベインを見る限り、最近のニトロは虚淵氏抜きでも十分に熱い作品をリリース出来るまで成長しています。今後、発売する作品が楽しみですね。 (Javaを無効にしていると表示できません) +++update:2004/03/05+++ |
シナリオ | システム | CG | 音楽 | エロ | 萌え | 燃え | クラスタ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
90 | 80 | 90 | 85 | 65 | 80 | 90 | 100 |