メーカー | Project-μ | 評価 | 8 |
ジャンル | ノヴェル・シアターPLUS | 発売日 | 2001/09/28 |
メディア | CD-ROM | 価格 | 8800円 |
動作OS | Win95/98/2000/Me | HDD容量 | 20MB以上 |
原画 | ひねもすのたり | BGM | CD-DA |
シナリオ | 砂斗あきら | 音声 | 無し |
★★★ 感想 ★★★ |
萌えとギャグはいまいちでしたが、アニメのように文字やキャラが動き回る演出が素晴らしく、シリアスな冒険映画を観ている感覚で遊べたのは新鮮でした。プレイ時間は長かったです。 |
◆あらすじ |
…それは、光と影なのか…? 二つの世界… 二人の少年… その狭間に生きる名もなき虚ろなる”もの”に、少女は呼びかける。 「あなたは…誰?」 答えを求め、旅立つ灰色の闇の向こう。 終りなき無明の荒野の果てに見るは、救いの天使か? 滅びの獣か? 真実の扉が開かれるとき、少年はただひとつの真の名を叫ぶ! 少年の名は…”るか”…!! |
◆シナリオ |
ジャンルはシリアスな冒険ファンタジー。全体のボリュームが多い上に丁寧だけど堅くて冗長すぎる文章で読み難いので、読破するのにかなり時間がかかりました。もう少し会話を中心に描いて欲しかったです。個性的なキャラが揃っているので結構笑える場面もありましたが…。 全体的な世界観は良く考えられていてキャラごとにイベントに違いはあるものの、大筋の流れが同じなので共通ルートが多く、同じような話を繰り返し読まされるのが辛かった。更に萌え要素が少なく心理学と言う難しいテーマを扱っているので、万人向けのシナリオではないと思います。感動出来る場面は少なかったのですが途中で止められない中毒性が有りました。 「流渦」と「ルカ」。感情表現が苦手な二人の少年が登場するのですが、実際に他のキャラと絡んで活躍する主人公と言えるのは「ルカ」の方です。この二人は実際に住む世界が違っていて、順次、それぞれの世界に視点が切り替わる形で物語が展開していきます。又、その大部分は「ルカ」の世界を中心に描かれています。 話の趣旨を完全に理解出来ていませんが簡単に説明すると、ただ無気力に生きるだけだった主人公の少年が、冒険での精神的な成長と共に自我に目覚め、自分の意思を取り戻す物語でしょうか。「生きる喜びを闇に葬って何も考えずに生きているだけで幸せなのか?」と自問自答する姿が痛烈でした。 自分への破壊を恐れ苦悩する様子が巧みに描かれていましたが、気力ゼロのヘタレぶりに感情移入できなかったのが残念です。 |
◆システム |
特に大きな問題は無かったです。文字サイズも大きいので見やすいです。 テキストやCGが画面上を縦横無尽に動き回ったり、拡大縮小が自由自在な演出を実現したS-Cubeシステムは画期的でした。今までの静止画主体のADVと比べると断然インパクがありました。是非、次回作にも採用して欲しいです。 一部テキストで既読判定が機能せず、同じ文章を何度も見せられたのは辛かったです。 一瞬で未読部分までジャンプするシーンスキップ機能は有り難いです。 この機能は他のエロゲーにも標準装備して欲しいです。 メッセージ履歴機能は、直前に戻るのではなく章単位で選択する方式で使い難かったです。 セーブはどこでも可能でセーブ数は8。おまけ機能として、CG・音楽鑑賞モードと心理学講座がありました。心理学講座は、話の内容よりチビキャラの会話が楽しかったです。 |
◆グラフィック |
オープニングデモはミステリアスな雰囲気を醸し出していて良かったです。 CGは精細で綺麗です。イベントCGは85枚。テキスト量と比べると少し物足りないです。 でも、コマCGは181枚と多いです。これがアニメのように滑らかな動きを表現する具です。 他に、CGが画面の中から砕け散るシーンや、表示範囲を縮小して周りの状況を隠す演出も新鮮でした。 ヒロインはロリキャラが多いですが、癖のある絵で萌え度は低いです。 正面のデザインはいいのですが、横顔がいまいちです。 あと、背景と文字の色が良く似ていて見難い場合が多々ありました。 |
◆サウンド |
全16曲です。タイトル画面で流れる曲はWAVのみの収録です。 暗い感じの曲が多いですがシリアスな雰囲気に良く合っていました。 BGMも良い出来なんですが、特に効果音の使い方が上手いです。 無音や効果音のみの場面が多く最初は違和感がありましたが、意外とBGMが引き立ちシリアスな雰囲気が良く出ていました。 以下はお気に入りの曲。 「Falling Fruits〜楽園〜」…OPボーカル曲。ロシア風味な感じが好き。 「月の影」…哀愁溢れる悲しい曲。なんか幻想的な感じ。 「風に吼える」…戦闘時の曲。スピード感があって気持ちがいい。 |
◆Hシーン |
あの〜、ペッタン系が多いんですが…。(;´Д`)ハァハァ 多少鬼畜風味なのも有りましたが、全体的に普通の純愛系と同レベルかと。 一部のキャラにハーレムプレイが有りましたが、これが真の楽園かも。(ぉ 状況描写が冗長なのに、CG枚数が少ないので飽きやすいと思います。 通常の背景画像の上にエロテキストだけが永遠と続く意味不明なパターンが…。(萎) オープニングの合体CGだけは、毎回見てたけど。(笑) |
◆キャラ(括弧内の数値は萌え度) |
炉キャラが多いので貧乳マニア必見。(笑) お気に入りは「セリ」。 個性豊かで面白いボケキャラが揃ってます。 サブキャラの奇妙な生き物、「トマス」「ペテロ」「パウロ」には、特にワロタ。 ■セリ (65%) ミカゲとそっくりで、ズタ袋に何でも詰め込む爆弾少女。一度あの中を覗きたい。(笑) ガサツで物怖じしない性格だが些細なことで落ち込んだりする。 ビバ!野生児!! かなり炉入ってます。(笑) ■トルイエ (55%) 触れるだけで病を治す特殊な能力を持った聖女。陰で自分の力に戸惑い苦悩する。 普段は穏やかで優しい性格だが、切れた時は何人たりとも近寄れない。 疲れたときは何回でも処置したるよ〜♪(ぉぃ ■マドカ (55%) 気弱で怯えたようにオドオドして直ぐに泣く。混乱すると意味不明な言葉を連発。 えっと、ショタ属性の方のメインディッシュになるでしょう。(笑) ■ミカゲ (60%) 主人公(ルカ)の前に突如現れた謎の少女。 睨まれると背筋が凍る程恐い。素顔は可愛いしミステリアスな感じがいい。 |
◆総評 |
変わったシナリオは好きですが、会話があまり面白くなかったです。それと、もう少しテキストとCGのバランスを考慮して、テンポ良く進行したら良かったんじゃないかと思います。結局、エンディングを見た後も何が言いたいのか良く分からなかったのも残念。 このようなメッセージ性の強い作品では、スッキリした答えを敢えて提示せず、読者の想像力に任せる場合が多いのですが、やっぱりエンディングでは分かり易い答えと納得出来る理由が欲しかったです。 まあ、最後のオチは・・・ですが、後半の展開はハラハラドキドキしましたし、シナリオや特殊効果の演出も良い出来なので十分楽しめました。 (Javaを無効にしていると表示できません) +++update:2002/06/10+++ |
シナリオ | システム | CG | 音楽 | H | 萌え | ロリ | 演出 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
80 | 85 | 85 | 80 | 60 | 60 | 75 | 90 |