2年前に起きた高々度旅客機の墜落事故は、主人公「日向陽一」の両親と記憶を奪っていった。だけど明香や部長ら仲間に囲まれて毎日が楽しく、悲惨な経験などすっかり忘れていた。星の名前を持つ少女が空から落ちてくるまでは…。
「ロリっ娘宇宙人同棲ADV」という謳い文句をそのまま鵜呑みにするのは危険かと。まぁ、萌えも笑いもそこそこありますがパッケージ絵だけ見ると、ロリっ娘とイチャイチャする安っぽい萌えゲーに錯覚しても不思議じゃないです。でも、本作はそんな単純な作品ではありません。ロリっ娘も登場します(実際にアリエスは天然萌え電波垂れ流しの炉利っ娘です)がメインはシナリオ。謎が散りばめられた推理要素を含む奥の深い内容だから読み応え抜群。ヒロインをクリアするごとに徐々に謎が明かされていく感じ。まさに一度嵌ると止められない麻薬的な逸品。
端的に言えば近未来SFラブコメ? 片田舎の町にUFOが墜落して一人の少女と出会う強引な設定ですが、男性サブキャラが変人揃いで面白いです。超大作に相応しいボリュームが用意され、奇想天外な独自の世界観を構築しています。テキストも読み易い上に伏線の回収が絶妙でストレス無く読破できました。問答無用の急展開も笑えましたね。あと、本作のバッドエンドは殆どが即死系で中だるみはしませんが、数が多いので全てのエンディングを回収しようとするとちょっと作業感あるかも。
使い易くて大きな問題は無し。フリーツールの吉里吉里を大幅にカスタマイズしているせいか、スキップは高速で動作も概ね軽快。ただ、背景をゆっくり揺らしてるシーンで動作が重くなって、テキスト表示のレスポンスが極端に悪化するのはマイナス。バックログはホイール対応。ジョイバッド対応。ディスクレス起動可。ちと誤字脱字が目立つけど許せる範囲。
鑑賞モードによるとCGは差分を含まず36枚。これには立ち絵が7枚とおまけCGが2枚含まれているので、イベントCGだけだと27枚かな。その内エッチなCGは4枚。同人にしては多い方だけど、膨大なボリュームから考えると枚数不足。背景CGが無くテキストのみで進行するシーンも多々あり。イベントCGや背景はシンプル。全体的に同人らしいヌルくて粗い線画と塗り。背景は3D系で無機質に表現されてるのもあるけど、取り込み画像を暈かしたようなのもあり。
立ち絵はクオリティ高いです。キャラデザは、ぷに萌え系で可愛いですね。特にアリエスのロリ体型がGJ。(笑) てか、アリエスの上目遣いと笑顔は反則。ありゃ萌えすぎる。他のヒロインは中高生ぐらいに見えますね。あと、OHPのキャラ紹介には出てこない萌え系ヒロインがもう一人います。おまけのTipsで素の部分を晒してくれますが、彼女の頬を染めた表情は読者を萌死させる殺傷能力を秘めています。でも、シナリオの核となるキャラが立ち絵だけなのは寂しいw。
圧巻の全70曲。おそらくフリー素材でしょうが、どこかで聴いたような曲も混じってます。でも、良曲が揃っていて爽やかな聴き心地。雰囲気を盛り上げる音の演出は作品にマッチして好感度大。選曲の良さが光るピアノの音色で癒される。OPムービーは静止画中心で派手さはないけど、しっとりしたピアノが見事にマッチ。
──お気に入り曲──
「最期に君がいた」…エンディングで流れるメロディアスな曲。
「modulor_014」…哀愁漂う悲しいピアノ曲。
「piano02_020」…スローテンポの癒しサウンド。
「piano03_001」「piano_011
」…落ち着いた青春メロディ?
おまけ程度の激薄仕様。各ヒロインCGは一枚づつ。しかもラブラブには程遠い。テキストベースの丁寧で綺麗な表現ですがボイス無しで冗長に感じる悪循環。シナリオの都合なのか18禁にする為なのか不明ですが、この程度なら無理に同人臭を嗅がせる必要は無いと思う。
立ち絵でもパンツ見えてるアリエス最高デス。(爆)
ろりろりに見えるけど、脱いだら結構ボリュームあるね。(悲)<マテ
ボク明香!無毛少女だよ。(´Д`;;)・・・ぇ
個性的なキャラが揃ってます。特に男性サブキャラがぶっ飛んでて濃ゆいスパイス出てますな。でも、主人公は平凡で影薄いよw。特に爆笑するギャグは無いですが読むのに苦痛は感じません。日常会話ではボケ役のアリエスが良質な電波を放出してくれますよ。
◆ アリエス (80%)
不思議な力を持ちながら、天然ボケを標準装備する記憶喪失のロリっ娘。
ひまわりの種が大好物。魔法少女ぷにぷにアリエス萌え。(笑)
◆ アクア (70%)
彼女の活躍無しに謎は解けない。実質的に鍵となるツインテールなツンデレ少女。
味噌汁の殺傷能力高すぎw。
◆ 西園寺明香(さいおんじ あすか) (70%)
同級生で幼馴染。巨大企業の社長令嬢。あのジト目が萌える。
言動がポンコツ風味で、自分のことを「ボク」って言う。
アリエスの天然萌えで魂を潤せ!
コレ、オモシロイデス。マジ、ハマリマシタデス。モット、アリエス、タベタイデス (何?
SFとんでも設定が光る超良作。緻密に計算された伏線の数々と見事と言わざるを得ない回収劇は、至上最高の同人作品と言っても過言ではない。巧妙な仕掛けを盛り込んだ洗練されたシナリオに漂う風格は、多くの商業作品を上回る完成度を誇る。超大作に食傷気味の方にも、高クオリティの立ち絵から垂れ流される、ぷに萌えオーラや幼分を是非賞味して頂きたい。過度な期待は禁物だが、ひょっとしたら美味しいデザートになるかも。
惜しむらくはボイスが無いのと貧弱なエロ。それに、同人の弱点である背景やイベントCGかな。テキストと音楽や効果音を使った演出が上手で、ビジュアル面の貧弱さをある程度補っている。
でも、この暴走洗脳表現には既視感を覚える。「ひぐらしの鳴く頃に」と似ているせいかな。もう少しビジュアル的な演出が強化されれば、万人向けの傑作と言える満足感が得られると思う。あの続編を予感させる意味深な閉幕も、謎を残して期待を増幅させる。
何気にプレイ時間と満足度は比例しない。私的には短時間でより満足度が高いもの程、優れた作品と見なす。シナリオ重視の同人作品で一世風靡した「月姫」や「ひぐらしの鳴く頃に」より評価を高く設定したのは、その観点から考えた結果。
ぶっちゃけ、同人を舐めちゃイカンです。