恋ノ橋

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はじめに

うちのＰＣはパッケージに書かれた動作環境を満たしていませんが、スキップが遅い以外は特に大きな問題も無く遊べています。参考までにスペックを記載しておきます。
ＯＳ： Windows Me　　ＣＰＵ： Pentium3 800MHz
メモリ： 384MB　　ＧＡボード： GeForceFX5200 (PCI) 128MB

あらすじ

その橋で想いを伝えれば恋が叶う橋『想恋橋』。そこは『恋ノ橋』とも呼ばれるロマンチックな場所。恋を得るこの橋に、また男の子と女の子がやってきました。そこで４つの想いが交錯するとは知らずに…。

シナリオ

感動的な純愛シナリオで途中で中断できない中毒性がありました。後味の良いこの爽快感は、地味な主人公を一途に想い続ける健気な美希のおかげです。

複雑に揺れ動く各キャラの心情を多視点で明確に描いていました。ただ、主人公がパッとしない存在なのは、ヒーローを期待しているエロゲーマーにとっては退屈かもしれません。面白いキャラじゃないし、クールでも無いですから。ヘタレ具合も中途半端で、普通に凡人化しているので感情移入も出来ません。

初デート等、初々しい青春の一ページも描かれているのですが、主人公の心の奥に隠された不安感がいまいち伝わってこないですね。これはサブキャラの店長にも言えるのですが、ヒロインの内面が丁寧に描かれているだけに、男性キャラのインパクト不足は勿体無いです。まぁ、鬱展開が多すぎても暗くなって純愛ＡＶＧから脱線しそうなので、これぐらいが程よいバランスなのかもしれませんが…。

それと、終盤のシリアス展開は痺れましたね。ひぐらし…を彷彿させる伝奇サスペンス風のドラマチックな構成はお見事です。何気にＯＰムービーに登場する「リボン」に、もっと深い意味が隠されているのかと勘ぐっていたので、その点だけは少し拍子抜けでしたが…。

まぁ、不満点はそれなりにありますが、主人公と幼馴染という定番シチュでこの破壊力は神の降臨を感じさせます。喫茶店でのほのぼのした雰囲気は和みますね。どこか、パルフェに代表される丸戸作品と似た波動を感じたのは気のせいでしょうか。

システム

ＡＶＧとしてはオーソドックスで大きな問題は無いです。エンディングを見る度にシナリオが追加されていく感じですね。と言っても選択肢は無きに等しいので簡単に読破できます。ただ、テキストのバックに斜線『こんな感じ』が映って見難いです。おそらくOSがMeということでフォントの問題かも知れませんが…。XPなら綺麗に表示されるのでしょうか？（汗）

「落日」と同じく主人公の名前を入力しないと始まらない仕様は…今はめんどくさく感じますね。しかもキーボード入力なのでジョイパッドでプレイする私の場合、わざわざキーボードを取り出す手間がかかってしまいます。それに実際に音声合成とかで呼んでくれたらいいですけど、テキストだけですからね。それなら名前固定でも音声付の方が臨場感が出そうです。何か以前の感想と矛盾してますが時代が変わったということで…。＜おぃ

起動ディスクは不要。バックログはホイール対応で音声の再生も出来るので問題無し。でも、共通ルートが長い上に既読スキップが激遅なのは痛いです。時間が勿体無いのでスキップ中に晩飯食べて無駄なストレスを発散してました。（苦笑）　ちなみに、スキップ時にボイス・ＢＧＭ・効果音等をｍｕｔｅに設定すると、体感的に若干速くなるような気がします。出来れば自動で切れるようにして欲しかったです。

グラフィック

イベントＣＧは差分を含まず２３枚。枚数は少ないですが結構綺麗に描かれています。特にＯＰムービーは凝ってますね。ゾクゾクして鳥肌立ちそうでした。キャラデザはめっちゃ可愛いです。いわゆる萌え系ですね。多分、パッケージを見て絵買いする人もいるんじゃないかと。背景も緻密で丁寧です。

サウンド

全１３曲。突出した曲は無いですが無難な仕上がりかと。寂しげなピアノの音色が作中に効果的で程よく耳を解してくれますね。個人的には悲しい感じの「記憶の狭間」が、ゾクゾク感が出て良かったです。ボイスは問題無く良いですね。

──ボーカル曲──
『二人の瞬間（とき）』　歌：片霧烈火
作中曲。サビでファルセットを多用しているだけに声量不足でしんどそうに聴こえますが、雪が舞い散るミステリアスな雰囲気を醸し出していて本作にピッタリ。でも、片霧烈火さんの綺麗な声質は、もっとポップな曲の方が持ち味を発揮するんじゃないかと思ったり。ちなみに私的には、同人ソフト「Pray to Snow」の主題歌「Distant」がお気に入りです。ちとマイナーすぎ？

『恋ノ橋』　歌：霜月はるか
ＥＤテーマ。優しさに溢れた恋をスローテンポでしっとりと歌っていて心地良いです。

Ｈシーン

あくまでエロシーンはおまけ程度だと思って良いでしょう。１８禁にする為に無理矢理挿入した感じは否めません。本作では綺麗に物語が完結しているので全く無くても問題ないと思います。敢えて挿入するなら、詩音のえっちぃシーンみたいに後日談として分別した方が自然かも。

シチュ的にはオーソドックスで濃度も薄いですが、テキストが丁寧なので尺はそこそこあります。ただ、ＣＧ枚数が少ないのでクリック連打の誘惑に負けそうになりましたｗ。

でも、詩音のチュパ音は結構な臨場感ですな。まぁ、美希の喘ぎ声も可愛いのですが、このバキュームはワンランク上ですよ。息継ぎの仕方とか絶妙で初心な主人公が昇天されるのも無理ないわ。てか、俺の波動砲も、れろれろして欲しいー。＜ＪＡＲＯに検閲されるからヤメレ！

キャラ

◆春日詩音（かすが しおん） CV:本多しの舞 (75%)
中学の時の同級生で清楚な少女。古風でもの静かな性格。趣味は文通。

◆辻内美希（つじうち みき） CV:計名さや香 (80%)
いつも明るく元気な幼馴染で好感度大。表情も豊かで楽しい。ぶっちゃけ、ツンデレ＋ツインテールの破壊力が強烈な萌えキャラですな。照れた時の頬を赤らめた表情が最高です。萌えツボに百烈拳を食らったぐらいのインパクト。いや、マジで身体の内部から萌壊寸前。（笑）

総評

以前から気になっていたのですが予想以上に面白かったです。というか感動しましたね。ファンタジー風味な変化球を取り入れたシナリオで「落日」以上に楽しめました。それにツンデレ娘にどっぷり嵌っちまったので満足度は高いです。同人作品としてはボリューム的にも丁度良く、ライトノベル感覚で読破出来るお手頃な作品です。特にこそばゆい初々しい純愛を堪能したい方にお勧めです。

どうやら、ののの通信さんのツンデレ生産能力を良い意味で見誤っていたようです。まさか、ニュータイプの美希を投入してくるとは…。今後は、えろげスカウターを導入してチェックすることにします。（笑）

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Update 2008/01/04　　Copyright © yowamax