聖女である義妹の口から出た神託によって、光輝ある英雄から皇国の反逆者へと堕とされ、処刑を待つ身となったグルーヴェル。敵国の呪わしい誘惑によって、義妹を処女のまま性奴に調教する闇を背負う……。
宗教間の陰謀に嵌って義妹を処女のまま調教していく内容なんだけど、単なる幼女陵辱ゲーに留まらない読ませるシナリオが良かった。主人公はヒロイン達が壊れようがお構いなしに我が道を行く鬼畜で無敵です。終始刻み込まれるダークなイメージを払拭するような、ハッピーエンドもきっちり用意されてました。
大筋は一本道の真面目な物語なんで、一度クリアすると既読スキップを多用することになるのが残念ですね。もう少し各ヒロインの個別エンドを作り込んで欲しかったです。あと、難解で意味不明な専門用語を多用してます。ギャグも皆無な堅苦しいテキストだけに、笑いやエロ重視の人には合わないかも。ある程度脱線させても遊び要素を入れる余裕が欲しかったな。
伏線として張られた数々の謎めいた言葉が、終盤にスッキリ解明される点も良かった。主人公が恨みを抱く原因となる事件の真相も、如何にもファンタジーっぽい方法で綺麗に回収されます。ただ、チッセが異次元の力を持った原因や、主人公に対する想いのきっかけは説明不足。過去の出来事をもう少し噛み砕いて説明して欲しかった。
選択肢で分岐するオーソドックスなADV。シンプルで動作は軽快。既読スキップは超高速で自動で動くので便利。バックログはホイール対応だが音声の再生は出来ない。メッセージウインドウがメニューからしか閉じられないのは不便。
鑑賞モードはスクロール式でちと使い難い。イベントCGは差分を含めず83枚(その内エロCGは53枚)。ロリが売りだけあってユーディットが34枚と優遇されてます。空中庭園とか斬新ですね。ダークでミステリアスな雰囲気が充満してます。ただ、パッケージ版の発売が2002年なんで、絵柄に古臭さは感じます。戦闘シーンの演出もショボくて、CGが足らずテキスト進行が多かった。中には粗いCGもありますが、全体的にクオリティは安定してますね。
喋り方は大人っぽいけど、キャラデザはロリ体型。(笑) 特にゴスロリ系のチッセとか、真性のつるぺた姫巫女ユーディットは好印象。OPムービーは魔法陣が光る演出が綺麗。物語の雰囲気は十分出てます。まぁ、歌は置いといて…(笑
鑑賞モードによると15曲(主題歌は未登録)。全体的にBGMは高品質。映画のような臨場感を味わえる、壮大でミステリアスな曲や、おどろおどろしいホラー系の曲がグッド。戦闘シーンの曲もかっこいい。主題歌の「迷宮シンドローム」は、よくある音程をはずしたポップ歌唱。声優系?の可愛い声質は違和感あり。一瞬、「恋のミクル伝説」の再来かと思ったw。妙に明るい曲でダークな本作とミスマッチで笑える。ボイスはキャラとマッチして違和感はなかった。
儀式としてユーディットの真っ平らで未熟なバディを恥辱するのが基本。調教陵辱で壊していくのに神聖な拘りを感じさせるが、尺が短く濃度はいまいち。集団レイプやアナル責め、触手や緊縛もあるがシチュ的に新鮮味は薄い。ふたなりも活かしきれていない。もっと過激なスカトロを挿入するか、犬さん萌え調教で和ませて欲しかった。これでは獣属性のハートを鷲掴みに出来んのじゃ。 チッセのエロCGが3枚とは少なすぎるw。
男性サブキャラの出番が少ないのは勿体無い。グルーヴェルを支える二人の騎士は、戦闘に絡むぐらいの活躍が見たかった。
◆ ユーディット CV:春日アン (70%)
メインヒロイン。神々の分身である聖女。調教儀式によって黒く染まっていく。真性のロリ。
◆ チッセ・ペペモル CV:あおい和紀 (70%)
悪の分身である邪教徒。魔術儀式によって聖女の魂を地に落とそうと目論んでいる。
◆ レアル CV:寧々 (65%)
グルーヴェルの侍従。お約束の脳天気で眼鏡装備のボクっ娘。
◆ ベアトリーチェ CV:大波こなみ (65%)
聖女を守護する女騎士。密かにグルーヴェルを慕う。
基本はロリ陵辱だがシチュ的なインパクトが弱く堕とし方がヌルい。でも、神秘的な世界観で綴られるドス黒い復讐劇は異色。この手のジャンルは昨今では珍しいので新鮮。もっと萌え要素があれば更に良かったが、さまざまな思惑が絡んだシナリオは、神話とかファンタジー設定が好きなんで楽しめた。読み応えも結構あってそれなりに満足。
(JavaScript有効時)