強い願いを奇跡に変える不思議な桜『霊木』によって守られた街、夢源郷。霊木は善悪関係なく強い願いを奇跡に変える為、それを鎮める『守人』と呼ばれる人間達が生まれた。辛い過去を消したい願い、記憶を操る力を手に入れた者、死にかけた大事な人を救うために癒しの力を手に入れた者……守人には多くの能力者がいた。
ただし、そんな奇跡には必ず『代償』が必要だった。主人公も破壊と癒しの力持ち、どちらも使えば死の危険がある。二つの力は、『不幸』と『温かい家族』を運んでくる。不思議な力のせいで強烈な個性を持ち、奇跡と引き換えに『代償』を求める霊木によって、心の痛みを背負ったキャラクター達が寄り添って織り成す物語……。
パッケージの第一印象は萌えゲーだけど、実は妖怪とか出てくる伝奇モノだったりします。各キャラ超人揃いで萌え要素もあります。第一部は家族の絆がテーマで日常のドタバタ劇が楽しい奇跡の感動物語。超常的な力を使うには代償が必要で、辛い運命を背負うお涙頂戴な展開に突入。第二部は黒い人(謎)が大活躍。シリアスな風とドス黒いオーラを開放する燃え展開。
幾度もトラブルに巻き込まれる主人公のピンチを、皆の助けで切り抜けるお約束の設定です。まぁ、終盤に起こる修羅場を乗り越えて結ばれるよくあるパターンですけどね。家族に守られたほんわかした萌えシーンと、家族の為に戦うシリアスな燃え要素が絡み合い、後味爽やかなバランスの良い作品に仕上がっています。各ヒロイン共にクライマックスには泣きシーンが用意されているので、感情移入できれば泣きゲーとしても満足感が得られるかと。
本作は共通ルートも長いですが、各ヒロイン個別ルートに分岐してからも長いです。どのルートも他キャラが絡んでくるアットホームなシーンがあるので楽しいです。主人公視点だけでは分かり難い出来事も、ヒロイン視点を使って分かり易く噛み砕いて説明しています。その代償としてテキストが回りくどくなるのは諸刃の剣かもしれませんが…。
とにかく超大作に相応しいシナリオボリュームで、大作志向の方には満足できるかと。私的にはマッタリした日常が冗長気味に感じましたが。もう少しヒロインの数を絞ってコンパクトにまとめて欲しかったです。若干中だるみを感じましたが、キャラの内面まで非常に丁寧に描かれていて好印象。読み応えも十分です。
選択肢で分岐するオーソドックスなADV。動作は特に問題なく安定。既読スキップ速度は普通。バックログはホイール対応で音声再生可。ディスクレス起動可。誤字脱字が多かった。
鑑賞モードによるとイベントCGは差分を含めず136枚。その内Hシーンは33枚。安定したクオリティで問題なし。キャラデザは非常に個性的に描き分けされていて好印象。少なくとも桜華編のヒロインは全て可愛く描いていて、キャラの魅力が存分に引き出されています。特にチャイナドレスを着た夏輝が良いですね。
何気に静姉が、ぽっちゃりしておばさん臭く見えるのは違和感あるね。某鍵系キャラのように超人的な若さも合わないだろうけど、キャラゲーでは敬遠されそうな絵です。立ち絵とイベント絵で雰囲気がかなり違うし…。
立ち絵のバリエーションはもっと欲しい。最近のゲームはコロコロ表情が変わるので、それに慣れていると地味に感じる。あと、主人公の容姿は違和感あるね。よくある美青年タイプじゃなく普通のおっさんっぽい感じです。何か劇中の言動と一致しない気がする。
桜華編のOPムービーは桜が綺麗でイイ感じ。
闇使い編のOPムービーはおどろおどろしくてインパクト大。つか、マジ怖いです。
全32曲。その内ヴォーカル入りは2曲。マッタリ系が多いけど、イベントシーンにマッチした幻想的な曲をバランス良く配合してあって、アップテンポもスローテンポも満遍なく楽しめます。戦闘前にゾクゾクさせるミステリアスな「輪廻」から、戦闘シーンで流れる「死線」へと繋がるコンボがかっこいい。
三味線系の「目の前の現実」や、泣きどころで流れるオルゴール曲も余韻が残る。ただ、全体的に選曲は良いけど、昔のゲームミュージックを彷彿させる甲高い感じの音質は気になるな。ボイスはどのキャラも個性が十分に表現されていて良好。
──ヴォーカル曲──
「Celebrate」 歌:みとせのりこ
OPテーマ。温もりに包まれた和風テイストの香りが漂うミステリアスな曲。
「空を映した青い海」 歌:中原 涼
EDテーマ。余韻が残るしっとりしたスローバラード。
温もり溢れるラブラブえっちぃで濃度の期待は禁物。又、テキスト量のわりにCGが少ないのでクリック連打の後遺症が再発しそうw。喘ぎボイスは頑張ってるね。チュパ音は普通。
うにゅ〜、何でゴスロリ静音タンを攻略できんのかと小一時間…(略) <またそれかよ
静姉のサゾな部分を活かしてお仕置きプレイを盛り込んで欲しかった。<Mすぎw
主人公は鈍感でお約束のハーレム状態。序盤からいろんな女の子に好かれてる羨ましい野郎だな。ロ○コンやし。(笑) 超ご都合主義的だが個性的なキャラが揃っていて楽しい。サブキャラでは、眼鏡っ娘?唯の舌足らずなボイスが脳みそを溶かすw。渋めの漢キャラのタクマや、関西弁を喋る霊獣のコマ(ナマモノ)もいい味出してる。
◆ ソルネ CV:夏野こおり (75%)
博物館で物神を保護するおっとりした性格のメイドさん。ガッツです!!
天然全開のグロい特性料理(モザイク入り)は勘弁して下さいw。
◆ 紗雪 CV:文月かな (75%)
狐の霊獣少女。いつも無表情だが主人公になついている。
狐耳のコスプレ?紗雪タンが萌えすぎる。(笑)
◆ 岡崎夏輝 CV:芹園みや (75%)
主人公の幼馴染で、姉御肌のボディーガード。
いじけると地面に「のの字」を書きだす。
◆ 古坂あや CV:榊るな (70%)
主人公の義妹になった怪力少女。巫女服に猫耳や尻尾を装備すると最強。
うじゅ〜・・・って口癖は、月宮あゆのパクリ?
幼い無邪気さは良いけど、あのテンションの高さはちとウザいかも。(苦笑)
◆ 鈴森静名 CV:桐島やよい (60%)
主人公の母親代わり。通称:静姉。S属性全開の恐怖のお仕置きはwww。
守人最凶でキレると漆黒のオーラが吹き出して眼だけ光る。●:・∵;(ノД`)ノ ヒイィィィ
◆ 紺屋美奈 CV:佐々留美子 (60%)
主人公に助けられた少女。主人公を先輩と呼ぶ。
◆ 刃菊 CV:楠 鈴音 (60%)
主人公が主となった刃の物神。人に具現化している時は女忍者になる。
終始アットホームな雰囲気に癒される感動伝奇大作。突出した点はないがバランスが良くて後味良好。伝奇系特有の非現実設定は普通の学園物に飽きた人には良いかも。奇跡を起こすには相応の代償が必要だったり、過去の出来事がヒロイン達に避けられない不幸を引き寄せたりと、ご都合主義全開。心に訴える泣きゲーの常勝手法で、自然と涙腺を開放。
二部構成にしたのも良かった。第一部の桜華編では萌えて泣けます。第二部の闇使い編では一転してシリアス展開。戦闘シーンで燃えを補給できます。と言ってもニトロ作品等の燃えゲーと比較すると、演出面で見劣りするのは否めないので過度な期待は禁物です。
特に第一部は家族愛に満ちた心温まる物語に癒されましたね。個性的なヒロインも非常に魅力的で十分楽しめました。何気に巷の評価以上に優れた作品じゃないかと思います。私的にはかなりヒットした作品なのですが、マッタリした日常に加えて話が長いので途中で飽きる人も多いかも。まぁ、少なくともワゴンセールで投売りされるような内容ではありません。
香辛料としてもう少しアッと驚く予想外な展開が欲しかった気もするけど、シナリオ、CG、音楽共に及第点以上の仕上がりで欠点は少ない。非常に丁寧なテキストも好印象。ただ、回想が多くて全体的に冗長気味で、話のテンポを悪化させているのは残念。スリリングな展開をサクサク楽しみたい人には不向きかも。