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シェル・クレイル〜愛しあう逃避の中で〜
ブランド ALICE SOFT 評価
ジャンル 愛する二人の逃避行ADV 発売日 2003/06/27
動作OS Win98/2000/Me/XP 価格 7500円
HDD容量 800MB以上 メディア DVD-ROM
原画 MIN-NARAKEN BGM PCM
シナリオ 上田庄吾 音声 無し
モード CG、音楽、シーン鑑賞 プレイ時間 約18時間

はじめに
この作品はパッケージを見ただけで、萌えゲーじゃ無いのは分かるのですが、シナリオが良いと巷で評判だったので捕獲しました。

突撃結果
悪くは無いけど嵌りきれなかった。やっぱり直感を信じるべきだったのか…。

あらすじ
主人公「ジャン」は、病弱な伯爵令嬢「リズ」の治療に当たっていたが、三年に及んだ困難な治療が功を奏し、リズは健康な躰を得る。リズの縁談もまとまり、その幸せな旅立ちを見届けて、ジャンの専属医としての生活は終わりを迎えるはずだった。だが、三年の間に募った二人の想いは、簡単に消し去れるほど小さなものではなかった。ジャンはリズの手を引き、避暑地ミゼイユへと逃避行も同然の旅に出る。そこで出会う優しい人々、リズとの間に重ねていく幸せな夜。二人は、この時が永遠に続くことを信じていたのだが…。

シナリオ
多くの人を犠牲にしながらも、奇跡を信じて快楽に溺れていく二人の神秘的な愛を描いた物語。ドラマ「青い鳥」のような、各地を転々とする逃避行が繰り広げられるのかと、予想していたら肩透かしをくらいました。ぶっちゃけ、愛の巣窟に立て篭もって愛を育むゲームです。と言っても単純な純愛系ではなく、薬物による逃避や嫉妬絡みのネチネチした愛憎劇が展開されます。かなり癖のある異色のシナリオですが結構読みどころはありました。

ただ、何回か山場はあるものの、全体的に長くて冗長なテキストは中だるみしやすく飽きやすいです。自分勝手な主人公やモジモジしてはっきりしないリズにイライラすることが多く、どこか覚めた目で見てしまい感情移入出来ませんでした。あと、使い回しのイベントが目立つのも、やる気を減退させられました。一度読んだテキストを何回も読まされるのは作業を強制されているみたいで嫌です。

物語の性質上、えっちシーンに拘るのは仕方が無いのですが、もう少し通常イベントを増やして飽きさせない工夫をして欲しかったです。キャラ達の葛藤はひしひしと伝わってくるのですが、状況説明が多くてプレイしていて眠くなるんだよね。ギャグが一切無かったのも、睡眠効果を増幅させた要因かも。

システム
マップで移動場所を選択することによって進行するADV。マップ上に移動先で何をするのかが表示されるのは親切。強制スキップはあるけど、既読スキップが無いのが痛い。セーブ数は8個しかなく、移動画面でしかセーブ出来ないのも不便。バックログはマウスホイール対応。一度ディスクを入れて起動させると次回からはディスクレスでプレイ出来ます。

グラフィック
イベントCGは鑑賞モードによるとパターン違いを含めて116枚。殆どがえっちCGですがどこか幻想的な感じがします。アリスソフトだけあって質は安定していますね。でも、OPムービーが無いのは残念です。背景はかなり細部まで緻密に描かれていて美麗です。自然の風景は絵画風で、ファンタジーっぽさと絵本のような温もりが感じられます。田舎の古びた建物や小物類も芸術的で渋い味がありました。

立ち絵の表情の変化は少なく地味です。もっとバリエーションが欲しいところ。キャラデザは独自のタッチで描かれていて結構癖があります。可愛いと言うよりミステリアスな美少女漫画風味。でも、カティアたんは結構萌えます。(*^^*)

サウンド
全12曲。最近のエロゲーにしては曲数が少ないかな。アレンジした3曲を含んだ数だから。少し寂しげでしっとりした癒し系の曲が多く、妙にほのぼのして心が安らぎます。幻想的な音色でリラクゼーション用には良いかも。つーか、聴いてたら寝てしまうよ。

BGMを鳴らさずに無音で進むシーンも結構多いです。その影響なのか、ドアを開閉する音等、効果音はかなりクリアに聴こえます。臨場感もあり、緊迫したシーンの演出としては成功しているかと。ただ、音声が無いことによる萌えの低下は明らかです。かなり勿体無いですね。

Hシーン
何か芸術的な羞恥系Hシーンなんですが、エロテキストが冗長で堅苦しい感じがします。しかし、序盤からいきなりやり出してちょっと驚きました。シチュ的には痛いシーンもあったけど、水中プレイ、レズシーン、3P、4Pとかは良かったな。まさか、リズの躰を開発するゲームだったとは思ってなかったYO。(ぇ

媚薬的効果のある薬物で心の奥底に眠る欲望を目覚めさせ、快楽の世界に溺れていきます。要するに嫌なことを逃避して本能のままにやりまくる淫乱状態に突入するのです。CG枚数も多く、幻想的な色彩にも気合いは感じます。

ドロドロした汁描写はまぁまぁですが、喘ぎ声やチュパ音が無く、CGの使い回しも多いのでエロ度は失速。あっ、ピストン運動のクチュ音?はありました。何かダークな世界を綺麗に演出しすぎて突き抜けるものが無かったですね。実用性は期待しない方がいいでしょう。まぁ、ロリ目当てならカティアたん。ショタ目当てなら初々しいテオ君と…。

キャラ  ( )内の数値は萌え度
お気に入りは「リズ」。

リジエンヌ・エイパ (65%)
メインヒロインで伯爵令嬢。愛称はリズ。主人公を「先生」と呼ぶ。
癒し系美人って感じ。特に笑顔が(・∀・)イイ!

オルガ・エアレ (55%)
ベルナデットの専属メイド。クールな性格で他者との関わりを避ける。
無表情なところが魔性の魅力かも。

ベルナデット・ヴォヌハース (50%)
別荘地で暮らす元上流階級の女性でブロンドの貴婦人。

カティアン・トレン (60%)
ジャンやリズと同居することになる病弱なロリっ子。
モジモジして内気なところが萌える。お風呂で(´Д`;ハァハァ

総評
ドロドロした世界での異色の愛を描いた作品でかなり人を選ぶゲームかと。全体的に重くてダークな雰囲気が漂ってますね。学園恋愛系のヌルい萌えゲーに慣れている私の身体では少々きつかったです。独自の世界観と癖のあるシナリオは、合わないと中だるみするかも。序盤は結構楽しめたのですが、終盤になるとかなり拒絶反応を起こしました。もっと感動的なシーンが欲しかったな。まぁ、ヒロイン「リズ」の想いにシンクロ出来れば、評価はガラリと変わるかもしれませんが…。

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シェル・クレイル〜愛しあう逃避の中で〜

+++update:2004/06/07+++
シナリオ システム CG 音楽 エロ 萌え
75 60 85 70 65 60

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