一生に一度だけのチャンスで願いが叶う不思議設定ですが、4種類ある物語はどれもこの設定を上手く生かして作られていたと思います。突出した大イベントは無いのですが、とにかくテンポが良いので中だるみ無く飽きさせないラノベ風の構成がグッド。ボリュームが少ないと得てして終盤にお約束の展開に流れてしまいがちですが、本作は十分に練りこまれた内容で後味爽やかな感動で癒されました。
オーソドックスなADVで特に問題無し。選択肢はありますが基本的に一本道の4章編成のノベルです。バックログはホイール対応で音声再生可。ディスクレス可。
イベントCGは鑑賞モードによると差分抜きで59枚。その内エッチシーンは12枚。枚数は少ないですがねこクオリティの安定品質。緻密で温もりのある背景も健在。価格とプレイ時間から考えると妥当な枚数かな。キャラデザはぽっちゃりしたぷにロリ系で好感触。でも、真性を期待すると肩透かしを食らうので注意。あと、4章のイベントCGは微妙に変だった。おまけの緊急回避はワロタ。お馴染みの健ちゃんシリーズは、マンネリ化してるけどグッド。
全22曲。その内ボーカル入りが2曲。ピアノ中心で全体的に静かに聴ける曲が多く、相変わらず高品質で泣きどころでの挿入タイミングも上手いです。特にHシーンで流れる「葉桜」は、もの悲しく落ち着くので癒されます。AIRの名曲「夏影」を彷彿させますね。あと、哀愁が漂う「スカーレット2004」も良かったです。
──ヴォーカル曲紹介──
「春風」 歌:KAKO
挿入歌。爽やかな風が心地よく温もりを運んでくれるようなスローテンポの良曲。
「サナララ〜花咲く月曜日〜」 歌:中原涼
主題歌。元気が出る明るいポップソング。
純愛系で尺も短くアッサリした内容。初々しい着衣えっちとかありますが、基本的にオーソドックスでCG枚数も少ないです。喘ぎやチュパ音等の効果音も弱いです。本作の場合は強引にHシーンを挿入しなくても良いのですが、18禁の都合上敢えてイベントを追加している気がします。
お気に入りは、のぞみ先生。初々しく「ドキドキ」とか口で言ってる天然さが笑える。
でも、他のサブキャラが殆ど絡んでこない二人だけの世界はちと寂しいか。
◆椎名希未(しいな のぞみ) CV:夏野こおり <70%>
極度の照れ屋で人見知りが激しい内気な天然少女。
◆高槻あゆみ(たかつき あゆみ) CV:茶谷やすら <70%>
朝、起こしてくれる強気な幼馴染。キウイが好物のツンデレ娘。
◆三重野 涼(みえの りょう) CV:岩田由貴 <70%>
おとなしそうなメルヘン少女。キラキラお目目が笑える。
◆矢神由梨子(やがみ ゆりこ) CV:まきいづみ <70%>
ショタ専門腐女子。(笑)
タイトルにセンスを感じさせる癒し系爽快ノベル。綺麗な短編集なのでサクッと読破できて疲れません。昨今の重厚大ボリューム志向に相反する仕様ですが、十分な満足感を得られました。本作のようなお手軽に楽しめる良作は希少ですね。個人的には1章がお気に入り。
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