ブランド | Nitro+ | 評価 | 7 |
ジャンル | サスペンスホラーADV | 動作OS | Win98/2000/Me/XP |
発売日 | 2003/12/26 | 価格 | 4800円 |
HDD容量 | 300MB以上 | メディア | CD-ROM |
原画 | 中央東口 | BGM | PCM |
シナリオ | 虚淵玄 | 音声 | 有り |
モード | CG・音楽鑑賞 | プレイ時間 | 約6時間 |
備考 | DL販売 『ギュッと!』 |
◆はじめに |
毎回、現在主流の萌えゲーから逸脱する異質なタイトルを発売してくれるニトロプラスですが、本作は得意の銃器を使ったバトルシーンでは無く、ホラーサスペンスを根幹とするニトロにとっては未知の分野を開拓する意欲作です。新しい形の虚淵シナリオに期待して速攻で突撃しましたが…。 |
◆突撃結果 |
微妙。いや、別に凍えなかったですが何か? 内容は面白く虚淵氏の新しい分野の開拓には成功したと思います。ただ、短編だけにボリューム的には満腹にならなかったです。鬼哭街と比べても爽快感や燃え度の点で見劣りするかと。 |
◆あらすじ |
交通事故で生死の境をさまよった郁紀は、いつしか独り孤独に、恐怖と嫌悪だけに塗り込められた世界を生きるようになっていた。彼に親しい者たちが異変に気付き、救いの手を差し伸べようにも、そんな友人たちの声は決して郁紀に届かない。そんな郁紀の前に、一人の謎の少女が現れたとき、彼の狂気は次第に世界を侵蝕しはじめる。 |
◆シナリオ |
いわゆる猟奇ホラーサスペンス。実際はホラー色はそんなに濃く無くて、過酷な運命を背負った男女の恋愛物語になっています。恋愛部分は謎の少女・沙耶と狂気の世界で彷徨う主人公が中心。互いを必要とする2人のやるせない想いが痛々しく描かれています。ホラーならではの、暗闇から急に出てきてゾクッとする場面があるのですが、効果音の使い方がいまいちなので背筋がゾクゾクするような恐怖は感じなかったです。サスペンス部分のテキストは流石に虚淵氏と唸らせる表現力でなかなか読み応えがありました。 ただ、特別意外な展開も無く捻りを感じられなかったのは残念。あっと言わせる細工を施して欲しかったところです。ホラーサスペンスにハッピーエンドは必要ないのかも知れませんが、個人的には救われるエンディングを1パターン用意して欲しかったです。後味悪いとまではいきませんが、何だかスッキリしません。それと、全体的にボリューム不足な感じは否めません。沙耶や丹保凉子関連でまだ未消化な謎も残っているので、もっと作り込みに時間をかけて全容解明して欲しかったな。 |
◆システム |
特に問題は無かったです。ジャンルはADVと書かれていますが、中身は鬼哭街のような電脳小説。選択肢も2箇所しかなく、エンディングも3パターンのみ。テキスト表示は画面全体に表示されるビジュアルノベル形式。既読スキップとマウスホイール対応の読み返し機能装備。読み返し時に音声再生不可なのと、右クリックでモードを抜けられないのはちょっと残念でした。あと、Hシーン鑑賞モードが無かったです。まぁ、どうせ薄いですし、短編小説だからスキップを使えば直ぐに見れるんですけど…。 |
◆グラフィック |
鑑賞モードによるとイベントCGは85枚。ちょっと物足りないですね。テキストのみで表現されているシーンが結構見受けられました。背景は取り込み画像を加工したようなアッサリした描写もありますが、薄暗い色使いがホラー色を醸し出していい感じです。触手や臓器等、グロテスクな絵も多いですね。他にも沙耶が大好物を食べるところ等でグロい描写が頻繁に出てきます。キャラデザでは沙耶の無垢な表情が良かったかな。他のキャラは萌えスパイスを殆ど感じません。(^^; |
◆サウンド |
鑑賞モードによると全15曲。その内ボーカル入りが2曲。ホラー映画のような、おどろおどろしい未知の音楽は良かったのですが、効果音が弱いかな。それに、獣の音声はキショいよ。背筋が凍りそうなグロいボイスが病み付きになりそう。<をぃ 声優さんの声は全員マッチして問題なかったです。 −ボーカル曲紹介− ・沙耶の唄(歌:いとうかなこ) 挿入歌。せつない系のしっとりした曲。哀愁漂う音色は本作にピッタリ。 沙耶の想いがよく表れていて、個人的にはこっちの方が好き。 ・ガラスのくつ(歌:いとうかなこ) ED曲。映画で使われそうな壮大な曲で感傷に浸るにはいいかも。 |
◆Hシーン |
鬼哭街よりは濃くなってますが相変わらず薄いですね。エロCGは23枚とニトロにしては結構多いんじゃないでしょうか。チュパ音はまあまあですが汁描写がヌルいね。テキストも官能小説モドキみたいで堅苦しい。エロ描写に関しては虚淵氏の神通力も通用しないのか…。(笑) まぁ、エロシーンはおまけ程度と考えておいた方が良いでしょう。でも、もっとリアルな触手を見たかったな。あっ、ろりろりな沙耶たんは結構美味しかったです。(爆) |
◆キャラ ( )内の数値は萌え度 |
沙耶たんのろりろり光線もさることながら、主人公の親友、戸尾耕司の渋さが光る。 主人公よりキャラ立ちいいよ。やっぱ真の漢は彼だね。燃える闘魂がそこにある。 ■沙耶 CV:川村みどり (50%) 主人公と運命的な出逢いを果たす謎の少女。ロ○濃度はかなり高いです。 中央東口氏も、やっとロ○っ娘に目覚めたのか…。(笑 ■高畠青海 CV:海原エレナ (10%) 主人公の親友・耕司の彼女。 サブキャラ扱いで出番が少なかったのが残念。もっと見たかった…。 ■津久葉瑶 CV:矢沢泉 (30%) 主人公に想いを寄せる娘。豹変した主人公に戸惑う。 一見すると萌え度が高そうなだけに、あの扱い方は可哀相かも。(^^; ■丹保凉子 CV:佐藤まこと (20%) 事故の後遺症に悩む主人公の主治医。 眼鏡の奥で光る瞳が知性と狂気を感じさせる女医さん。かっこいいッス。 |
◆総評 |
腐り姫+雫÷3…って感じでしょうか。(意味不明) 面白いんだけど、どこか達成感が無く消化不良気味。その原因は緊迫したバトルシーンの少なさ。最後の決戦を見て、やっぱニトロの持ち味はバトルシーンだと改めて実感しました。言わずと知れたニトロの生命線は「燃え」ですから、もう少しバランスを考えて作り込みをしていたら十分良作になり得た作品だと思います。 サスペンス部分だけみると虚淵氏の圧倒的な筆力が冴え渡り、巷に氾濫するエロゲーシナリオを凌駕する完成度を誇ります。ただ、映画でも言えるのですが、いくら良いストーリーでも終盤の盛り上がるシーンの作り込みが足りないと、エンディング後のインパクトが薄く余韻が心に残り難くなります。それ故に、本作が短編だったのが残念です。何はともあれ虚淵氏の新たな才能を垣間見えた従来と異質な世界観はプラス材料です。次作への期待を増幅させるには十分な衝撃を与えてくれました。 短編の猟奇ホラーサスペンスが好きな方なら楽しめるのでは? (Javaを無効にしていると表示できません) +++update:2003/12/27+++ |
シナリオ | システム | CG | 音楽 | エロ | 萌え | 燃え | ホラー |
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75 | 75 | 75 | 75 | 30 | 30 | 30 | 70 |