SWAN SONG

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ブランド

Le.Chocolat

評価

ジャンル

狂気殺戮ADV

発売日

2005/07/29

HDD

1GB以上

価格

8800円

原画

川原誠

メディア

CD-ROM×2

シナリオ

瀬戸口廉也

音声

有り

モード

CG、音楽、Hシーン鑑賞

プレイ時間

約18時間

備考

DL販売 『ギュッと!』

あらすじ

ホワイト・クリスマスの夜。大地が突如として揺れ平和な世界は一変する。アスファルトは裂け、建物は崩れ落ち、暗闇のあちこちから恐ろしい悲鳴があがった。ごく平穏な住宅街の光景は、瞬時にして地獄の景色となる。その街で一人暮らしをする大学生尼子司は、混乱の中で奇跡的に一命を拾い、廃墟のなかを彷徨ううちに自閉症の少女八坂あろえと出会う。そして彼女と共に避難先を求めて歩くうちに古ぼけた教会を見つけた。そこに司と同じ様にして地震で家を失った若者達が集まってくる。そうして、雪の降る教会で、彼らは出会った。

シナリオ

内陸直下型大地震によって秩序が崩壊し人々が狂気に染まる世界を描いた物語。かなり惨忍な描写が多くホラーサスペンスっぽいです。もう先が気になって止められない中毒性がありますね。でも、テキスト自体は堅苦しい状況説明がダラダラと長文で続くので疲れます。あと、キャラの視点が頻繁に切り替わります。「天に高く地に深く」みたいな感じかな。

絶望的な状況での理性の消失がもたらす殺戮の地獄絵図。指や腕を切断したり内臓をえぐったり、グロテスクで猟奇っぽい表現が多いです。銃で瞬殺するのではなく、ナイフ等の刃物を使った肉弾戦が恐怖をかきたてます。孤立した街で極限状態に置かれた人々が、恐怖を逃避し豹変していく様子が、丁寧な心理描写によってリアルに伝わってきますね。

狂気の暗い面ばかりが目立つバッドエンドも印象的ですが、どんな過酷な現実にも希望を捨てずに立ち向かう、儚く美しい描写があるノーマルエンドは良いですね。たとえ救われなくても衝撃的で余韻が残りました。ハッピーエンドは淡白な感じもしますが、これは絶望だけでなく希望の光を残した作者のお情けでしょう。このエンドがなければ全く救われないですから。かなり強引ですが鬱のまま終わるのは勘弁してほしいので、この救済措置はあって良かったです。

とにかく、あのヘタレのクワガタの壊れ方は圧倒的にインパクトありましたね。恐怖が彼の眠っていた何かを具現化させたのでしょうか?

システム

ツールに吉里吉里を使った選択肢で分岐するADV。まず、ディスクレス起動不可で起動チェックが遅すぎてイライラします。セーブ・ロードの反応も遅いし、メニュー画面も重いかな。しかも、メニューのフォントがいびつに崩れて見難い。何で普通のフォントで表示させないのか理解不能。完全ではないがキーボード対応。既読スキップ速度は普通ですが、初期値が既読判別無しの設定なので注意。バックログはホイール対応で音声の再生可。

あと、長文を垂れ流すのは読む気が削がれるのでやめて欲しい。小さい文字がぎっしり詰め込まれたら、よっぽど文章が好きな人以外は嫌になるでしょう。文字と背景のコントラストも不十分でかなり見難くストレスが溜まります。これは致命的ですね。又、カットインCGを避けるようにテキスト表示位置も縦横無尽に変化します。これは新鮮なのですが、地震と連動するように文字が揺れるので、焦点が一定せずテキストが非常に読み難いです。良かれと思って挿入した演出なのでしょうが裏目に出ましたね。(苦笑)

何か変わった演出がしたいのは判るのですが、アクセシビリティへの配慮は重要です。

グラフィック

イベントCGは差分を除いて80枚。(背景含む) カットインCGは99枚。質は問題ないレベルかと。全体的に暗い色彩で、おどろおどろしいホラー系のCGが多いのですが、めちゃくちゃグロいCGはないです。テキストではかなりグロい表現があるのでCGも追加して欲しかったですね。

キャラデザは癖があって萌えとは正反対でパッとしません。何気にちと不安定ですね。CGによっては別人かと思うぐらい崩れてたりします。ひばりんの顔が四角く見えるのは幻覚? あと、立ち絵の代わりにカットインCGが豊富に使われています。これは大きさや形が色々で飽きさせません。OPムービーは吹雪で凍えそうな恐怖のイメージが目に焼き付きますね。

サウンド

全20曲。暗く悲しい曲や穏やかで落ち着く曲が多いです。おどろおどろしい低音はホラーの雰囲気出てます。OP11はどこかで聴いたことがありますね。Project-μの「彼女の願うこと…」だったかな。全体的にも何となく有阪千尋さんの音楽と似てるような気がします。無音進行が多いのは寂しいですがホラー映画のように効果音はリアル。吹雪や扉がきしむ音等を上手く使って盛り上げてますね。

OPテーマ「SWAN SONG」はどん底に落とされるような悲しい曲ですが、壮大なオーケストラ演奏は臨場感抜群です。クラシックとオペラを混ぜたような渋さが光りますね。EDテーマはクラシックですが、ハッピーエンドに相応しい希望が感じられる明るい曲で妙にマッチしてますね。それにドイツ語?のおっさんボーカルもいい味出してます。CVは特に問題なし。

Hシーン

猟奇陵辱とでも言うのでしょうか。多人数で犯して使用済みになると、ジワジワなぶり殺しにする非人道的で卑劣な描写もありますね。殆どがバッドエンドの物語なので輪姦等の痛い強姦シーンがメインですが濃度は薄いです。勿論、和姦もありますが破壊力はいまいちです。

萌えが皆無な上に唐突に始まるので安っぽい官能小説を読んでる感じ。良かったのはひばりんの下半身半脱ぎとか、すっぽんぽんアロエの月経冠垂れ流しぐらいかな。(笑) バッドエンドでは近親相姦もありますね。エロCGはアニメのようなアッサリした塗りだし、一部のエロボイスでわざとらしい感じがしました。

キャラ

(;゚д゚) 「クワガタ怖すぎ」

タノさん・・・あんた漢だよ!

ツカサくん…ひ弱すぎ!冷めすぎ!悟りの境地かよ('A`)
超人的な聴力は活きてたけど、予想外に地味で拍子抜け。
感情を表に出さない冷静すぎる主人公はキャラ立ち悪いね。

八坂あろえ(やさか あろえ) CV:草柳順子 (40%)
自閉症スペクトラム障害の少女。突発的で予測不能の行動をとる。
火傷したらアロエたんを塗りましょう。(違)

佐々木柚香(ささき ゆか) CV:佐々木柚香 (40%)
いつでも優しく微笑む大学生。見た目は一番まともかも。

川瀬雲雀(かわせ ひばり) CV:榎津まお (40%)
ツンツンしたきっついツリ目少女。基本的に我侭だがいぢられ役もこなす。
気が強くいつも元気。あの顔はぽっちゃりしてるっていうのか?

乃木 妙子(のぎ たえこ) CV:北都南 (40%)
地震後の廃墟で出会う少女。オンマイタレイヤソワカ…

小池 希美(こいけ のぞみ) CV:西田こむぎ (10%)
おどおどした内向的な性格だが残酷な一面もある少女。

総評

萌えやエロを求める人には合わないでしょう。いたるところに異質な惨殺シーン等の痛い描写がてんこ盛り。狂人化した人々の暴走がリアルすぎて怖かった。かなり賛否両論あると思いますがホラー小説が好きなら嵌るかと。絶望を表現した鬱テキストは堅苦しく読むのに苦労しますが、シナリオの破壊力は侮れません。特にバッドエンドが強烈で少なくとも私は楽しめました。

(JavaScript有効時)

SWAN SONG

シナリオ

システム

CG

音楽

萌え

エロ

狂気

80

60

80

80

40

40

80

90



Update 2006/07/12  Copyright © yowamax