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君が望む永遠
[評価]    9
[メーカー] age
[DL販売] ギュッと!
[動作OS] WIN95/98/ME/2000
[ジャンル] アドベンチャー
[発売日]  2001年08月03日
[媒体]    CD-ROM
[感想]
この物語を舐めてはいけません。萌えを期待すると手酷く火傷するのは確実です。
ですが、核レベル級の精神的苦痛を負うシナリオは、18禁ゲームの枠を超えた
完成度です。ドロドロとした人間関係を表現したテキストは郡を抜いていますし、
人間の本能を表現したストーリー構成、演出、どれも高レベルです。
おそらく、「加奈」に匹敵する痛さを体験できる、貴重な恋愛ゲームだと思います。

◆シナリオ
二部構成で進行します。第一章は、学生時代の萌え溢れる恋愛ゲームになっていて
あるイベントをきっかけにして、第二章に突入します。この演出が抜群でした。
この出来事によって主人公の環境が一遍して、ドロドロとした人間の本音を描いた
ストーリーに突入していきます。この二章からが他のゲームと違う部分です。まさに、
このゲームの本領発揮する部分です。この痛さメガトン級のシナリオは、仲良くなっ
てHして終わり、のような生易しい物では有りません。そんな綺麗事では、語れない
人間の深い部分まで突っ込んで描かれています。個性的なキャラ達も面白すぎ。

◆システム
既読・自動スキップ・テキスト履歴機能も有って快適です。他にもテキストの速度・色
の変更等、細かい設定が可能となっています。ただ、右クリックでメニューが出るん
ですが、窓の消去に割り当てて欲しかった気がします。
セーブ機能も問題無いです。表示されていた画面や日時も保存してくれます。
HDはインストール時980Mの空きが必要です。

◆グラフィック
グラフィックも高レベルです。丁寧な塗りは好感が持てますし、キャラの表情も豊かで
楽しいです。雨の演出や歪みを表現した視覚効果は、特にインパクトが有りました。

◆サウンド
CD−DA/PCM併用です。特にインパクトの有るサウンドでは無いのですが、
イベントの雰囲気に良くマッチしています。効果音もいい感じでした。CVはフル
ボイスで、どの声優さんもキャラとマッチしていて上手でした。特に遙の声はお気
に入りです。
オープニングとエンディング曲は、ボーカル入りです。オープニングの曲はしぶい
です。
エンディング曲は、泣きを誘うのにベストマッチです。本当に良い曲でした。

◆Hシーン
濃くも薄くも無く、ちょうどいいんじゃないんでしょうか。テキストがちょっと
冗長すぎる気もしました。あのテキスト量なら、もう少しCGが欲しかったかな。
結構、使い回しが多かったのが、気になりました。

◆キャラ紹介   (括弧内の数値は萌え度

-涼宮 遙-    (85%)
  水月とは正反対の性格のおとなしい女の子。NO.1の萌えキャラ。
  永遠は望まないけど、前向きに今を生きようとする想いが心に響きます。
  あまえる時の、この娘の声は反則な程かわいすぎ〜。

-速瀬 水月-   (65%)
  元気で、明るい性格とは、裏腹に寂しがりやな部分も有る娘。
  独占欲の塊のような主人公に、けなげに尽くす姿勢が涙腺にきます。
  ラストは絶賛しました。無意識の内に頬を涙が・・・

-涼宮 茜-    (75%)
  遙の妹で、水月にあこがれている水泳少女。
  この娘も、一途で頑固なところがかわいいです。萌え度高し。

-穂村 愛美-   (60%)
  同じ学校で、保健委員をしていた、よく気が利くメガネ娘。
  怖い!怖すぎる!もう、どうにでもしてくれ〜!(爆)
  ある意味、こういうのも有りかな・・・でも、そっちの世界に・・・

-大空寺 あゆ- (70%)
  殺人的な口の悪さを武器に、主人公につっかかてくる大財閥の令嬢。
  主人公との漫才?が楽しすぎ。数々の名言を残す笑いの殿堂。

-玉野 まゆ-   (65%)
  サムライ風の言葉と思考を武器に、何をやるにも一生懸命な娘。
  妹キャラっぽいロリ少女で、ボケボケ度はあゆを食う威力を誇る。

-天川 蛍-    (65%)
  ちょこまかと一生懸命に動き回る看護婦。主人公に命の尊さを説く。
  ラストは、ハンカチ必須。このシナリオを最後にPLAYしたのは正解でした。

お気に入りキャラは、やっぱり「遙」かな。萌え度が一番高いしね。

◆総評
第二章の主人公には、全く感情移入できません。というか、ネガティブな心の中を
巧みに表現しているのですが、第三者的立場で見守るしか無いので嫌悪感を抱い
てしまいます。あまりシンクロしすぎると、憂鬱になるので勝手に拒絶しているのかも
しれませんが・・・でも、この精神的苦痛は、このゲームの良さを実感するのに必要
な事だと感じます。二人の女の子を巡る、主人公の心の揺れを巧みに描いている点
等、特筆すべき点は多々有るので、諦めずにPLAYしていれば最終的には救われ
ると思います。

人間は皆、弱い部分を持っているので、嘘や孤独の苦しさに耐えられない。一度感じ
た想いは、簡単には消せない。それほど、心は繊細にできており、コントロールは、
難しい。だが、重要な決断が必要な場面が必ずくる。その結果がどうであれ、自分の
意思を尊重し、現実を受け止める必要が有る。いつかは、想い出に変わるのだから。
・・・そんな事を、実感させられる人間ドラマ溢れるシナリオでした。

心に深く響く、シナリオ重視型のゲームで、エンディングは涙無しでは語れません。
爽快感は、感じにくいですが涙腺を刺激すること必至かと思います。
でも、シナリオが長いので、中だるみを感じる鬱シナリオに耐えるのも苦痛でした。
又、メインの二人以外のシナリオがしょぼかったのが惜しいですね。

【あどる】『ふ〜っ、この後、萌えゲーでリハビリしなきゃ立ち直れねぇ・・・』
【あゆ 】『あんですと〜』

シナリオ90点 システム90点 CG90点 音楽80点 H80点 萌え75点 鬱(測定不能)

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+++update:2001/12/15+++


Renaissance
[評価]    6
[メーカー] JIN
[DL販売] ギュッと!
[動作OS] WIN95/98
[ジャンル] アドベンチャー
[発売日]  2001年01月12日
[媒体]    CD-ROM
[感想]
久しぶりの、本格的なシナリオ重視アドベンチャーゲームです。

◆シナリオ
ストーリーは、学園伝奇物です。各キャラを攻略するごとに、主人公の出生の謎が
少しずつ明らかになっていきます。そして5人攻略した時に全貌が明らかになると言う
かなり中毒性の有る趣向が凝らされています。又、各シナリオに、伏線が散りばめ
られているので、飽きずにシナリオを官能できるところは、良かったですね。

ややこしい宗教用語や哲学的な内容は、あまり興味が湧かなかったです。
言語学、錬金術、イエズス会、デウス・・・等、頭が痛くなる用語の連打です。
個人的には、もう少し神話に突っ込んで欲しかったのですが・・・
こういうシリアス物では、しかたないですが、日常会話にギャグが欲しかったです。
又、全体的にテキスト量は少ない方かと思います。

◆システム
使い難い極悪システムです。例えるなら、「Close2U」レベルです。(ToT)
既読スキップや読み返し機能等、もちろん有りません。強制スキップのみ可能ですが
遅いのでイライラします。しかも、リターンキーを押さえとか無いと止まります。(怒)
この時点で、キーボードオンリーでPLAYすることに決定しました。

セーブは一日の終了時に固定されていて、常時できないので不便です。
その日に選択した授業によって分岐していくのですが、めっちゃ難しいです。
これは、ストレスが溜まります。又、HDインストール時、230M必要です。
全体的に一世代前を感じさせるシステムです。

◆グラフィック
そんなに高レベルでは無いですが、独特の線と塗りは、結構、印象に残りました。
ヨーロッパ風の雰囲気が漂うタッチのフリーハンドぽい絵です。(謎)
CGは、全画面表示では無くて上下が斬られた感じなのが残念です。
枚数的には、イベントCGはもう少し欲しかったです。

◆サウンド
BGMはCD-DAで雰囲気に良く合っていました。CVが無いのが残念です。

◆Hシーン
全体的に、Hは薄くあっさりしています。あまり期待しない方がいいです。

◆攻略キャラ
全部で5人ですが、これといった萌えキャラが・・・???
深雪の扱いが、かわいそうな程、薄かったのが残念。萌えキャラだと思ったのに・・・

◆総評
全体的にボリュームは少なめです。おきらくにPLAYするにはピッタリかも。
萌えを期待してはいけません。あくまでシナリオで勝負しています。
巷では評価されてるみたいだけど、結局、あんまり感動しなかったんだよね。
エンディングの呆気ない幕切れも、いまいち納得できませんでした。
もっと感情移入できたなら、評価が変わったかもしれません。
この前の「君望」と比べてしまうのが不運かも・・・まぁ、しゃあないけどね。

シナリオ75点 システム30点 CG65点 音楽65点 H30点 萌え50点

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+++update:2001/12/20+++

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